SEVENTEEN、「ひとりじゃない」の柔らかさと包容力 過去の日本オリジナル曲にも通ずるメッセージ性
「ひとりじゃない」と同様に、SEVENTEENがこれまで発表してきた日本オリジナル曲も、メッセージ性を感じるものが多い。SEVENTEENといえば、パフォーマンススタイルやコンセプトの斬新さで注目を集め、人気を確立させてきたグループという印象が強いだろう。しかし、日本オリジナル曲では、SEVENTEENらしさに加えて、王道なテーマを掲げてきている。
2018年に発表した疾走感のあるフレッシュでパワフルな楽曲「CALL CALL CALL!」で鮮烈な日本デビューを果たし、日本国内での知名度を一気に広げた。一方で、翌年に発表した日本語曲「Happy Ending」では、“僕と君”が登場する物語を歌った一曲で、〈愛してる〉というストレートな表現が多数登場する。同楽曲がリリースされた2019年は、ダークコンセプトに挑戦した韓国語曲「Fear」でインパクトを与えていた。SEVENTEENにとってもコンセプトの転換期に入り、少年から大人への成長を遂げる過程に差し掛かっていたのである。これをきっかけに、その後リリースした日本オリジナル曲「舞い落ちる花びら (Fallin' Flower)」、「24H」でも、やはり“僕と君”の関係、つまりはSEVENTEENからの愛の気持ちがテーマとなっている。パフォーマンスでは、ジャンルレスな振付でコンテンポラリーも連想させるほどの圧巻の群舞をみせている。こうした楽曲は、メンバーが制作に関与しているSEVENTEENだからこそ表現できるエンターテインメントであると思う。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)に合流してからは、キャッチーかつ自己流のパフォーマンスをさらに極めている上に、世界というスケールでの活動も増えてきた。そのような韓国語曲と、シンプルかつ究極のテーマに挑戦する傾向にある日本オリジナル曲では、展開する世界観に共通点はあるものの、感じる魅力は多種多様になっている。思えば、初期の代表曲「Pretty U」は歌詞が切なく可愛らしいと話題になっていたことを振り返ると、楽曲のテーマに対するアプローチもデビュー当時から一貫しているのである。
グローバルな舞台での活躍も増えてきたSEVENTEENのパフォーマンスを、『CDTVライブ!ライブ!』でぜひ注目して見てほしい。
■momotoxic
ブロガー。自称”楽曲派”。Twitter:@momotoxic1006