わーすた、わーしっぷに伝えたグループの覚悟と自信 念願の有観客開催した6周年ライブレポ

 2021年3月27日、わーすたが6周年記念ライブ『わーすた6周年ライブ 〜会場まるごと ROCKYOU〜』をTOKYO DOME CITY HALLで開催した。この情勢下、ステージに立てること、わーしっぷ(=ファン)の前で歌い踊ることを心の底から楽しんでいるステージ。6年間走り続けてきた誇りと7年目への希望、それを思う存分に感じることができた申し分のないライブだった。

「生まれ変わっても絶対わーすたになりたい」

 ライブ終盤に目を潤ませながらも、きっぱりとそう口にした廣川奈々聖の言葉がすべてを物語っていた。それほどまでに、自信に満ち溢れたライブだった。

 約1年半前、私はこのリアルサウンドで5周年に向けての彼女たちを追った。リリースからスタジオライブ、代々木公園でのフリーライブ、そしてLINE CUBE SHIBUYAでの5周年ライブ発表……。そこに向けての彼女たちの熱い想いを目の当たりにしてきた。しかしながら、そんな5周年ライブは、緊急事態宣言発令前の情勢により、わーしっぷの前で開催することができなかった。

 であるから、彼女たちがこうして結成記念として(結成記念日は3月29日)、ファンの前でライブができる喜びはいかばかりであろうか。当たり前のことができなくなってしまった1年を経たわーすたが、どんな6周年を迎え、どんな風に7周年へと突入していくのか。

わーすた

 それを確かめるべく、1部のステージを観た。

 お馴染みのSE「OVERTURE」が鳴り響く。いつもの “わーすた”コールができない代わりに、色とりどりのペンライトと高く上がった手が会場を埋め尽くす。すると重厚感のあるバンドサウンドが轟いた。いつもとは趣向の違う、バンドセットライブであることをあらためて感じる瞬間だった。ステージ上には無数の閃光が映し出されたLEDスクリーンが上、左、右、三面に開くと猫耳姿の5人のシルエットが露わになる。

 「熱狂! 爆音! 発汗! 覚醒! Let’s Go!」

 シンバルカウントを合図に臨戦態勢から解き放たれた5人が掛け声とともにはじけだす。「萌えってかエモ」でライブはスタートした。三品瑠香がこぶしを効かせながら巻き舌で吠え、廣川が凛とした真っ直ぐな声を響かせていく。歌謡風味の少々クセのあるメロディを歌わせたら、彼女たちの右に出るアイドルなど他にいないだろう。この鉄壁のツインボーカルがときにロックバンドのボーカリスト顔負けの佇まいでぐいぐいと引っ張り、対して坂元葉月、松田美里、小玉梨々華がアイドルとしての条件を整えていく……のがいつものわーすたのスタイルでもあるのだが、3人も負けじとオーディエンスを煽っていく。右へ左へと並行移動するフォーメーションはコミカルながらも切れ味がある。いつになく挑発気味の5人を前に、早くも“会場まるごとROCK YOU”状態だ。

 間髪入れずに「デデスパボン!」へなだれ込む。スクリーンに映し出されるVJとともに、リズミカルにカラフルなステージングで魅了していく5人。「最上級ぱらどっくす」では廣川のハイトーンがホールいっぱいに突き抜けていった。小気味良いビートに乗せて、わーすたらしい悠々たるステージングを見せていくが、いつも以上に激しくノリよく俊敏な動きを見せる。やはりバンドセットのライブは一味違う。NEKONOTE BANDの演奏がわーすたを支えながら、その強さを引き出しているのだ。

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