Kroiが鳴らす間違いなくホンモノのサウンド 別世界へと誘ったWWW X公演

 「彼らはホンモノだから! マジでホンモノの奴らだから!」。ライブハウスの受付でそう話かけてきたのは、何度か仕事をしたことのあるレコード会社のスタッフだった。その熱意に圧倒されながら螺旋階段を降りて、重厚感のある渋谷WWW Xの扉を開けると、そこには多くの観客の姿とともに別世界が広がっていたーー。

 3月27日、これから始まるのはR&B/ファンク/ソウル/ロック/ヒップホップなど、あらゆる音楽ジャンルからの影響を昇華したミクスチャーバンド・Kroiの3rd EP 『STRUCTURE DECK』リリースツアー『DUEL』の追加公演。ステージにはお尻を模した金色のオブジェ、白いファーの掛け物、写真館でよく見かける家族写真風に映ったメンバーの額縁写真、フロアの壁にはエナメル素材のダウンジャケットがかかっていた。これらの演出を手掛けたのは、彼らのMVでディレクションを務めている新保拓人。コンセプトは「ギャルのオナラ」らしい……(なんのこっちゃ!!)。

 開演時間になり、真っ暗なステージから現れたメンバー。サングラスをかけた内田怜央(Vo)が「皆さん元気ですかぁ! 調子はどうですかぁ!?」と発して「Noob」で幕を開けた。続く「Finch」は長谷部悠生のギター、関将典のベース、千葉大樹のキーボードによる高音のアレンジによって、激しくも品のあるサウンドに。観客だけでなく目の前にいた音響スタッフも心地よさそうに肩を揺らしている。前半で個人的にヤられたのは「Suck a Lemmon」だ。CD音源とは違い、サビでがなるようにけたたましく歌う内田。床に膝を打ち付けながら、天を仰ぐように歌唱しているその様は、神々しささえ感じた。

 この日、最初のMCになり「今日、Kroiのライブを初めて見た人いる?」という投げかけに、フロアからちらほらと手が挙がった。「だらっとやっているので、エモいライブが観たい方にはあんまりオススメしないかも(笑)。まあ……ここには本当に音楽が好きな人が集まっていると安心してますんで、宜しくお願いします」と言って「dart」、「Mr. Foundation」、「Flight」とアグレッシブな曲の連打が続いた。

 「ここからチルセクションになるんですけど、その前に。今回のツアーで学んだことは、やっぱりお客さんあっての我々で、我々あってのお客さんということ。あとバカになれる時間を作らないと、人はおかしくなっていくので。だから我々の音楽でバカになってください」と話して、「Never Ending Story」へ。充満する色気と浮遊感のある心地よさは、まるでSLY & THE FAMILY STONEの「Que Sera Sera (Whatever Will Be, Will Be)」のようだった。大袈裟ではなく、本当にそれぐらい気持ち良い。メロウなサウンドで魅了したかと思えば、「Custard」では火を吹くようなファンクな音に圧倒される。彼らから次々と生まれるグルーヴに身を委ねていると、気づけばライブは終盤に突入。内田が「ラストは俺らの大好きな『Shincha』をやって終わろうと思います。このダラダラしたライブはどう?(笑)。ヤバいでしょ?」と告げると、フロアから大きな拍手と笑い声が起きた。

 当然ながら「最後」と言ったところで、観客が帰るはずがない。すぐにアンコールの拍手が発生。再びメンバーがステージに戻ってくると、まずは4月30日にデジタルシングル『shift command』をリリースすると発表。さらに6月にはメジャー1stアルバム『LENS』をリリースし、7月から全国ツアー『凸凹』を開催するという。祝福ムードに包まれる中、新曲「shift command」を演奏して約1時間30分のライブは幕を閉じた。

 終演後、メンバーと話すことができたので「実は、ライブ前に関係者の方から“彼らはホンモノだから!”とすごい勢いで言われたんですよ! しかも2回も!」と伝えたら、恐縮しながらメンバー全員が大笑い。「期待をされてるみたいですけど、皆さんはどうですか?」と聞くと、千葉が「ハハハ、もうずっしりですよ! めちゃめちゃ期待の重圧を感じてます!」と答えてくれた。この日のライブが証明したように、彼らの楽曲、アレンジ、歌唱力は間違いない。これからKroiの音楽がいかに多くの人に届くかが楽しみだ。

■真貝 聡
インタビュアー兼ライター。映画・TV▶ PEDRO『SKYFISH GIRL -THE MOVIE-』(2021年)/Mrs. GREEN APPLE『~Review of エデンの園~』(2020年)/BiSH『SHAPE OF LOVE』(2018年)/MOROHA『其ノ灯、暮ラシ』(2017年)などにインタビュアーで参加。ラジオ▶︎奇妙礼太郎とSundayカミデのインターネットラジオ『水曜モニカ』で出演・構成を担当。

■リリース情報
4月30日(金)New Digital Single「shift command」配信
6月Major 1st Album「LENS」

■ツアー情報
Major 1st Album「LENS」リリース記念全国ツアー『凹凸(オウトツ)』
7月4日(日)北海道PLANT
7月10日(土)横浜FAD
7月11日(日)千葉LOOK
7月16日(金)大阪バナナホール 
7月18日(日)名古屋SPADEBOX
7月30日(金)福岡DRUM Be-1
8月1日(日)京都 KYOTO MUSE
8月6日(金)東京CLUB QUATTRO
 
前売り 自由 ¥3,800(税込、ドリンク代別)

<ぴあ最速先行抽選>
受付URL:https://w.pia.jp/t/kroi-t/
受付期間:3月27日(土)21:00~4月4日(日)23:59
 
※ご来場に関する注意事項など最新情報を公式サイトにて必ずご確認ください公演前に発表する注意事項をご確認の上、ご来場をいただきますよう、お願い申し上げます。
※当日は新型コロナウイルス感染拡大防止のガイドラインを遵守し、然るべき安全対策を講じた上で開催されます。
 
■配信ライブ情報
3rd EP『STRUCTURE DECK』Release Tour “DUEL”LIVEWIRE
4月10日(土)OPEN19:30/START 20:00
前売¥2,000/当日¥2,500
<チケット販売期間>
2月22日(月)18:00~4月16日(金)21:00
<見逃し配信期間>
4月16日(金)23:59まで
 
公演サイト・チケット購入:https://livewire.jp/p/kroi210410
お問い合わせ先:livewire@spaceshower.jp