『恋落ちフラグ』インタビュー
松井珠理奈とはどんなアイドルだったのか? SKE48 後輩メンバーが語る、絶対的エースの偉大な背中
「珠理奈さんはダンスの正解を知っている方」(鎌田)
ーーそもそも、珠理奈さんが卒業するんだという実感はありますか?
髙畑:私は正直、まだ実感が沸いていないです。珠理奈さんはSKE48の先頭を走る偉大な先輩だし、今もこの先もずっとそうなんだろうなというイメージ。だから発表を聞いたときもポカーンとしてしまったし、MVを撮り終えた今も不思議な気持ちですね。きっと、卒業されていなくなってしまったときにやっと実感するのかなと思います。
荒井:本当なら、もう卒業されているはずなんですよね。日程的に。
ーー卒業コンサートは、2020年9月末に予定されていましたものね。
荒井:なので、ちょっと延びて安心してしまう気持ちもあるんですけど(笑)、いつまでも頼りっぱなしになってしまうのもいけないですよね。本人は既に卒業の先を見ているし、そのスピード感に早くついていかなきゃなと思っているんですけど……やっぱり実感はまだかな。卒業コンサートのリハがはじまったら、だんだんと沸いてくるのかなと思っています。
ーーみなさんにとっても特別な存在だと感じますが、そんな珠理奈さんからどんなことを得たのか聞きたいです。
江籠:難しい! ありすぎて……。おじゅりは、常にSKE48の真ん中に立って走ってくれていた方で、ずっと背中を追っていたい方。観ている人を納得させられる存在感もある、天才なんです。だから、いるだけで学ぶことが多かったんですよね。
鎌田:私にとって珠理奈さんは、ダンスの正解を知っている方なんです。12周年記念の特別ライブ(2020年10月3日から3日間開催)では、いままでSKE48がやってきた歴代の公演を披露したんですけど、珠理奈さん、レッスン場にずっといてくれて、自分が出ないユニットの曲でも「ここはこうなってるんだよ」と教えてくれるんです。もう、生き字引なんですよ。
ーー何百曲も頭に入っていると言いますものね。
鎌田:そう。そのうえ、ダンスも正確で上手じゃないですか。だから……卒業したら誰に聞けばいいんだろうって思っちゃいますよね。珠理奈さんに連絡でもすればいいのかな(笑)。
江籠:教えてくれそうだけどね(笑)。
鎌田:でも、いつまでも甘えていられないですもんね。そのくらい偉大な先輩。私も、学んだことはありすぎて数え切れません。
ーーまだ卒業後のことは考えられない様子ですが、珠理奈さん自身は今のSKE48が団結していて雰囲気がとても良いことを嬉しそうに語っていました。コロナ禍により全員で活動することが少ない中で、そこまでまとまれた要因って何だと思いますか?
熊崎:みんな同じくらいライブに飢えていたからかもしれないです。「早くステージに立ちたい!」と思っていたから、自然とまとまったのかな。
鎌田:それに、良いものにしたいという気持ちも共有できていた気がします。12周年特別ライブのレッスンでは、出たことがない公演に出演するメンバーに、出たことのある先輩が教えてくれたんですよ。それが全部の公演であったので、結果的にSKE48がやってきたことを各所で伝えられることができた。これは大きいんじゃないかなと。
髙畑:私も、違うチームの大場美奈さんや惣田紗莉渚さんたちとの仲がすごく深まった実感があります。
荒井:チームが違うと、全員が出演するコンサートでもあまり接しないんですけど、この時期はレッスン場に行くと誰かしらいて、音楽をかけるとだんだんと人が集まっていくんです。先輩後輩関係なく。
熊崎:レッスン時間じゃないのに、「14時から〇〇公演やるからね!」って声を掛け合って、勝手にみんな集まっていたんですよね。
「みんなで一本締めをやりたい!」(荒井)
ーー結束も強まったSKE48。今後もきっと安泰だろうということで、みなさんがSKE48をさらに良くするために、個々にやっていきたいことも聞きたいです。
荒井:あ、じゃあ私から。一本締めをやりたいんですよ。
江籠:……どういうこと(笑)?
荒井:ライブが終わると、SKE48のメンバーはすぐに散るんですよ。私も今までは率先して散っていたタイプなんですけど、これからは終演後にみんなで集まりたい。だからといって、反省会は長くなるから、サクッと一本締めで締めくくりたい。ちゃんと区切りができていいなと思うんですよ。
ーーすみません、なんでまた一本締めという発想が?
荒井:外出自粛期間中に地元の友だちとZOOMで話していたとき、友だちが言っていたんです。地元では行事が終わったあとに必ずやると。で、実際にやってみたら結構気持ちいいんですよね。リモートなのでズレるんですけど。だからSKE48にも取り入れたいなと思ったんです。
江籠:じゃあ、13周年の公演からやろうか! やってくれたら全然ついていくよ。
ーー楽しみにしています。ではほかの皆さんも順番にいきましょう。江籠さんがやりたいことは?
江籠:私は、2020年に入って思うように活動できなくなってから、アイドルがすごく好きだなと再確認したので、ソロ公演をしたいです。SKE48のメンバーはそれぞれ個性を生かして外でお仕事をしていて、その姿を見られるのはファンの方も嬉しいと思うんですけど、私はアイドルに憧れてアイドルになったので、自分が思うアイドル道を極めたいんです。その姿を見て「自分には個性がないからな」って悩んでいる後輩にも、「アイドルを極めたら、1人でステージに立ってファンの人を幸せにできるんだ」と感じてもらえるんじゃないかと思います。
鎌田:私は、正直アイドルとしてのポテンシャルはそんなに高くないと自分で思っているんですけど、ありがたいことに趣味がお仕事に繋がる機会が多くて。SKE48のファンじゃない人から「今のSKE48にはこういう子もいるんだ」と思ってもらえることが多いんです。なので、私を入り口にしてSKE48のことを知る人がもっと増えたらいいなと。そのために私は、グループ以外のお仕事も頑張りたいなと思っています。
熊崎:私は、シングル表題曲のセンターに立つことが目標なので、まずはそれを早く叶えたいですね。もう、年も年なので……。
荒井:いやいや!
江籠:そんなことないから!
熊崎:でも、若手からもたくさん魅力的なメンバーが出てきているので、誰が立ってもおかしくない状況なんですよ。だから焦っているんですけど……これが目標ですと言葉に出したからには叶えたいですね。あともう一つやりたいのはご飯会! SKE48ってご飯会を全然しないんですよ。
鎌田:確かに。落ち着いたらやりたいね。要らない服を持ち寄ってフリマとか、ビンゴ大会とか!
江籠:あ、いい! ビンゴいい!
熊崎:12周年を経てメンバーの仲が深まったので、せっかくならチームの垣根を越えてもっと仲良くなりたいです。仲が良いと個性を出し合えるし、それによってパフォーマンスもより良くなるんじゃないかなと思います。
ーーいろんな願望が飛び出しますね。では最後、髙畑さんも。
髙畑:私は……前作の「ソーユートコあるよね?」のとき、最年長の24歳で初選抜になれたんです。今回もこうして取材を受けられてありがたいんですけど、今の私はまだ先輩に教えていただく立場なんですよ、どうしても。「そろそろ後輩に背中を見せなきゃいけないよ」と須田(亜香里)さんからはずっと言われているんですけど。
鎌田:確かに、言われてる!
熊崎:集合かけられるんだよね。
髙畑:「はたごん、集合!」って言って。そのくらいポンコツなんですけど、だからといってずっと後輩のままでいてはいけないなと意識を変えている最中です。ただ言葉で教えるのは苦手なので、背中を見て感じてもらえるようになったらいいなと。そのためにも、選抜でい続けて結果を残せたらいいなと思っています。
ーー素敵な目標です。教え方は人それぞれですものね。
髙畑:はい。あと個人的には、外出自粛中に料理にハマったんですよ。今、料理好きのメンバーってSKE48にはあまりいないので、24歳の今、主婦や主夫の方にも興味を持ってもらえたらいいなと。年齢に見合ったアイドルを目指したいです。