『恋落ちフラグ』インタビュー

松井珠理奈とはどんなアイドルだったのか? SKE48 後輩メンバーが語る、絶対的エースの偉大な背中

 SKE48が2月3日に27thシングル『恋落ちフラグ』をリリース。2020年に卒業発表した松井珠理奈のラストシングルで、表題曲はグループ初となるメンバー全員で歌唱。研究性も含む68名で、珠理奈を明るく送り出す。

SKE48 / SKE48 「恋落ちフラグ」Music Video/2021年2月3日発売

 そんな同シングルにかけた思いとは? リアルサウンドでは松井珠理奈本人へのインタビューも行っているが、荒井優希、江籠裕奈、鎌田菜月、熊崎晴香、髙畑結希の中堅メンバーと、8期生の井上瑠夏、北川愛乃、野村実代、佐藤佳穂の2組にもインタビュー。『恋落ちフラグ』の魅力はもちろん、彼女たちが長く背中を見てきた“松井珠理奈”という存在、さらにはグループの今後についても聞いてみた。

「おじゅりに成長を見せられて嬉しかった」(江籠)

左から荒井優希、江籠裕奈、髙畑結希、熊崎晴香、鎌田菜月

ーー今回のシングル表題曲「恋落ちフラグ」は、全員参加の楽曲となりましたね。

鎌田菜月(以下、鎌田):(松井)珠理奈さんが卒業してからもこの曲を全員で歌い続けることになりますが、このタイミングで「これはSKE48の曲です」と全員が同じ意識で思える曲ができたのは、すごく意味があると思っています。珠理奈さんのSKE48愛を改めて感じました。

髙畑結希(以下、髙畑):この曲の振りは、s**t kingzのshojiさんが付けてくださったんですけど、全員で踊るということもあって、MV撮影前に3日間くらいダンスレッスンが設けられたんです。そこでshojiさんは、場を盛り上げつつ一人ひとりのことをしっかり見てくださったんですよ。褒めて伸ばしてくれるというか。

ーーそれはレッスンにも力が入るでしょうね。

髙畑:はい。やる気も出ますし、楽しい振り入れになりました。実際のダンスも、揃うところはちゃんと揃えて、勢いのあるSKE48を見ていただけると思うし、一人ひとりのイメージに合ったシーンもあります。みんなに見どころがあるダンスですね。

ーーMVは、かわいい、クール、元気など6チームに分かれてそれぞれの色に合わせたダンスを披露するシーンもあるそうですね。それぞれ見どころも聞いていいですか?

髙畑:私はクールチームです。意識したのは……雰囲気ですかね。可愛いチームのあとに出番が来るので、そこで一気に私たちの雰囲気に変えないといけないので、ダンスや表情一つひとつにも注意を払いながらパフォーマンスしました。

荒井優希(以下、荒井):私も同じチームなんですけど、私は後ろ向きから始まるんですよ。MVで後ろ向きからはじまるってなかなかないですし、先生も「前に向いた瞬間の目線のインパクトを出してほしい」とじっくり教えてくださいました。そこは、すごく意識した部分なので、ぜひ観てもらいたいですね。

ーーで、江籠さんはかわいいチームだとか。

江籠裕奈(以下、江籠):はい。……「かわいい」で、「はい」って答えるのも恥ずかしいけど(笑)。うちのチームは何もしなくてもかわいい子たちが集まっているんですけど、振り自体もすごくかわいいんですよ。ピースをしたり、目を合わせたりする振りがあって。なので、よりかわいくみせるにはどうすればいいか、チームの中でも何人かに分かれてダンスを見せあって追求していきました。先生も、「自分が一番かわいく見える角度で」とアドバイスしてくださったので、とにかくかわいいシーンになっていると思います。

鎌田:私は、しなやかさや体の柔らかさを活かしたチームでした。先生からは「鏡を見て、一番キレイなポーズや、ポーズをとるまでの最も美しい動線を見つけて欲しい」と言われていたので、そこを意識しましたね。それぞれのパートもしっかり決まっていたし、チーム全員で“魅せる”ことを一番意識されていたチームなんじゃないかなと個人的には思っています。

熊崎晴香(以下、熊崎):私は元気チームなんですけど、私たちは新しい振りを入れてもらったわけではなくて、2サビを踊らせていただきました。珠理奈さんがいないサビを任せてもらえるということで、「重要だからね」「これからのSKE48を見せて欲しい」と先生にも念を押されていたので、SKE48らしいダンスを見せようと思いっきり元気に踊りました。振りが決まっていない部分はフリーだったので、自分らしさを出せたシーンになっていると思います。

ーー熊崎さんはご自身のチームでSKE48らしさを出したとのことですが、曲全体を見て「SKE48らしいな」と感じた部分はありますか?

熊崎:今回は珠理奈さんのラストシングルではあるけれど、卒業らしい言葉が一言も入っていないんです。曲自体もポップでかわいい感じなので、その前向きさはSKE48らしいなと感じています。あとは個性豊かなところも。チーム分けしたことで、新たに見えてきた感じがありますね。

鎌田:いろんなおいしいところを見てもらえる感じがする。

江籠:うん、そうだね。私は、サビの英語とかノリノリのラップとかが入っているので、おじゅり(珠理奈)の好きそうな曲だなとも感じているんです。このタイミングでなければSKE48として歌うことはなかったかもしれないですし、そういう意味では、新しいSKE48らしさも生まれる曲なんじゃないかなと。レコーディングでは英語を本当に頑張ったので!

ーーそのくらい、難しかった。

江籠:もう、本当に難しかったです!

熊崎:こんなに英語が多い歌詞ってなかなかないですから!

ーー言われてみれば。

鎌田:あっても、ワンフレーズくらいだもんね。

熊崎:そうそう。過去に、仮歌のときは英語だった歌詞が、最終的に日本語に変わることがあったんですよ。だから今回もそれかな?と思っていたんですけど、まさかのそのままで(笑)。びっくりしました。

鎌田:しかもサビごとに違うから。

熊崎:そう!

江籠:私、スタッフさんに一度カタカナに直してもらって、それを必死で追いながら歌ったんです。大変だった……。

鎌田:みんなの努力の成果をぜひ聴いてみてください(笑)。

ーーまた、江籠さんと熊崎さんはユニット曲「Change Your World」のセンターも務めています。珠理奈さんがプロデュースした楽曲だそうですね。

江籠:おじゅりが自分でプロデュースした楽曲に、「期待しているよ」という意味も込めて選んでくれたのは純粋に嬉しかったですし、気合いが入りました。

熊崎:メンバーに選んでいただいてすぐに集まって、おじゅりも交えてこれからSKE48としてどうなっていきたいのか話す機会をもらえたんです。そこで、今思っていることや悔しいことを素直に言葉にしたら、それをおじゅりが歌詞に込めてくれました。ダンスもおじゅりが考えてくれて、振りの意味も説明しながら振り入れしてくださったので、すごく踊りやすかったですね。

ーー珠理奈さんも、「みんな感情を込めやすかったみたいです」と話してくれました。

熊崎:そうなんです。私たちの本音がこもった曲なので、自然と熱くなれました。

江籠:MV撮影ではリップシーンを熊ちゃんと2人で撮ったんですけど、おじゅりがすごく褒めてくれるんですよ。おじゅりにそこまで褒めてもらえたこと今までなかったので、ちゃんと成長できていたんだな、その姿をおじゅりに見せられたんだなと思うと嬉しかったです。

熊崎:それに、アドバイスも丁寧にしてくださいました。私はグループのなかでも先輩と呼ばれることが多いけれど、そんな私でも学びが多い撮影になったと思っています。

江籠:これからを担っていく若いメンバーも、おじゅりからアドバイスをたくさんもらって吸収していたので、卒業されるまでに披露できる場があるといいなと思っています。

熊崎:あと、個人的なことをいうと……「制服を着た名探偵」という曲でセンターを務めたことがあるんですが、その曲にはMVがなかったんです。今回はMVがある楽曲で江籠さんとセンターに立てるということで、本当に嬉しい。センターに立つことは昔からの目標でもありますし、ファンの方も喜んでくれるんじゃないかなと。次世代ではないので、そんな私がセンターに立つことに厳しい意見も来ると思いますが、それを跳ね返すくらいの覚悟で挑んだつもりです。

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