浪川大輔、津田健次郎、森川智之……“声優界のジェダイ”達による『スター・ウォーズ』シリーズでの熱演
『スター・ウォーズ』シリーズの完結編として2019年12月に公開され、世界中でヒットした映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が、本日2月26日に『金曜ロードSHOW!』にて地上波初放送される。『スター・ウォーズ』シリーズでは、これまでに森川智之、坂本真綾、浪川大輔などの人気声優が吹き替えを担当し、『スカイウォーカーの夜明け』ではフォースを継承するレイを永宝千晶、悪と正義の間で葛藤するカイロ・レンを津田健次郎が演じる。宇宙を舞台にしたスケールの大きな物語でありながら、親子の関係や心の葛藤というヒューマンドラマという側面も持つ本作にて、吹き替えを担当する声優たちがどのような声と演技を聞かせるのか。本稿では声優界のジェダイとも呼ぶべき男性声優陣に着目して見どころを考察する。
ベテラン演じるジェダイの騎士
1978年に『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が公開されてから、半世紀近くに渡り世界中で愛されている『スター・ウォーズ』シリーズ。フォースと呼ばれる力で宇宙を支配しようとする帝国軍、それに対抗するレジスタンスが宇宙を舞台に壮大な戦いを繰り広げる物語では、ダース・ベイダーやヨーダ、C-3PO、R2-D2など個性的なキャラクターも人気を集めた。物語は大きく3つに分かれ、若きジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーの活躍を描く「旧三部作/オリジナル・トリロジー」、ダース・ベイダーが暗黒面に身を落としていくストーリーを描いた「新三部作/プリクエル・トリロジー」、そしてレイとカイロ・レンという新たな世代が活躍する「続三部作/シークエル・トリロジー」。今夜放送される『スカイウォーカーの夜明け』は「続三部作」の最終章で、一連の『スター・ウォーズ』サーガの完結編として公開前から大きな話題を集めた作品だ。
人気シリーズだけに吹き替えも豪華な顔ぶれだ。「旧三部作」と「続三部作」のキーマンで、『スカイウォーカーの夜明け』では主人公の一人であるレイを導くルーク・スカイウォーカーの吹き替えを、往年のファンにはお馴染みの島田敏が務める。島田はアニメでは『逮捕しちゃうぞ』(TBS系)の白バイ警官=中嶋剣や、『ドクタースランプ』(フジテレビ系)のニコちゃん大王、『バキ』(TOKYO MXほか)の合気柔術の達人=渋川剛気など個性的な役柄が多く、昨年は『波よ聞いてくれ』(MBS、TBSほか)の鼓田ミナレが務めるスープカレー屋の店長=宝田嘉樹でインパクトを与えた。ルーク役は第一作から長年務めているだけあり、すでにあうんの呼吸といった感じ。ルークの持つ正義を体現した、真っ直ぐで深みのある声と演技を堪能してほしい。
「新三部作」での物語の中心人物=アナキン・スカイウォーカーの吹き替えは、2011年から『ルパン三世』シリーズで石川五ェ門役を務めている浪川大輔が担当。『君に届け』(日本テレビほか)の風早翔太、『FAIRY TAIL』(テレビ東京系)のジェラール・フェルナンデス、『ONE PIECE』(フジテレビ系)のユースタス・キッド、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のギルベルト・ブーゲンビリア、『Fate』シリーズのロード・エルメロイII世、最近では『鬼滅の刃』シリーズでひょっとこのお面をかぶった刀鍛冶の鋼鐡塚役でお馴染み。クールだが熱いものを持った役に定評があり、胸の奥に野望を持つがゆえに暗黒面に落ちてしまうアナキンはまさにハマリ役だ。
ルークとアナキンの師匠として、2人をフォースの道に導く「新三部作」での若きオビ=ワン・ケノービの吹き替えを担当しているのは、トム・クルーズやキアヌ・リーブスなど、数多くのハリウッドスターの声を務める森川智之。アニメでは『ブラッククローバー』(テレビ東京系)の魔法帝=ユリウス・ノヴァクロノ、『鬼滅の刃』で鬼殺隊を率いる産屋敷耀哉など、懐が深く優しさと信念を持った役が実に似合う。声優としてのテクニックをテレビでも披露する機会も多く、若手声優の育成にも尽力する森川が師匠という立場の役を務めるのは、これ以上ない適任だろう。