『堕堕』インタビュー

ぜんぶ君のせいだ。に聞く、新曲「堕堕」で爆発した7人の個性 「孤独になっても頑張れる場所が見つかるよって伝えたい」

 ぜんぶ君のせいだ。が7人体制となって初のシングル『堕堕』をリリースした。メンバー脱退とグループの活動休止を経て、甘福氐喑、もとちか襲、雫ふふが加入して新たな5人体制となったのも束の間、さらに今年1月に解散したゆくえしれずつれづれから、メイユイメイ 、个喆が加入して7人体制に移行するなど、グループ史上最も激動の期間となったこの半年。しかし、そこから生み出された「堕堕」は、感情を揺さぶるタフで力強い側面と、聴き手をおちょくるような遊び心に満ちた側面を兼ね備えており、「新鮮でありながらもぜんぶ君のせいだ。の核心を突いている」というものすごい楽曲なのである。

 新体制になって『re:voke tour for 47』で47都道府県を巡りながら、間髪入れずに新曲を出すというのもぜん君。のストイックさを象徴しているが、それ以上にはっきりと感じるのは、今このグループは自信に満ちた抜群のコンディションであるということだ。7人でがっちり組み合い、互いの感情を共有しながら止まることなく進み続けるぜん君。彼女たちからいま目をそらしたら、間違いなく損だ。(編集部)

「7人になって本当に良かった」

ーー脱退、活動休止、2回にわたる新メンバー加入と、かつてなくグループの編成が大きく変わった半年間だったと思います。7人体制になるところまで振り返ってみて、如月さんはいかがですか。

如月愛海(以下、如月):よつ(一十三 四)、ぼの(凪 あけぼの)が抜けたことはもちろん大きかったですけど、1年前くらいからうっすら感じていたというか、一緒に話しているうちに少しずつですけど整理はできていたんですよね。ただ、ましろが9月30日に脱退を発表したときは、もう自分の中で急すぎてよくわからなくなっていて。もう1回頑張ろうねと一緒に話していた中だったので、自分の気持ちも変わってしまって。コロナの影響でライブもなかったから、1回ちゃんとパフォーマンスを上げるために活休しようと思ったんです。そこから11月の5人体制お披露目まで、あと1カ月しかないというところで新しい3人に出会っていたんですけど、グループとして再スタートを切る中で、やることも多くて自分の負担が重くて……。

ーー如月さん自身が抱えて、切羽詰まっていることも多かったと。

如月:はい。そんな中で、新しい3人が思った以上に吸収が早かったので、助けられましたね。ぜんぶ君のせいだ。のことをもともとよく知ってくれているというのもあるんですけど、「ぜん君。に入ったらこういうことをやりたい」とか、それぞれしっかり考えてくれていて。本当に大変な半年だったけど、まず5人の新しい形ができ上がるのが早くて有り難かったです。そもそもこんな時期に入ろうと思わないですから(笑)。

如月愛海

もとちか襲(以下、襲):成長が早いと言ってくれたけど、お互いに信頼し合っているから、ちゃんと進んでいけてるのかなと思います。私は入った時点で「2人についていく!」という気持ちですごく信頼していたし、そもそも「自分のしたいことを本当にしたい場所でできる」という環境がとても光栄なことだから、最初からとにかくがむしゃらだったんですよ。覚えることも多いけど、初舞台に向けて一生懸命頑張っていたから、吸収が早いと言ってもらえたんだと思うし、何よりグループをすぐ好きになったんです。生き方も全然違う5人が集まったけど、みんなのことを好きになれたから成長も早いのかなと思いますね。

ーーそもそも襲さんはどんな志でぜん君。に入ったんですか。

襲:私は別に歌って踊りたかったわけじゃなくて、とにかくぜんぶ君のせいだ。に入りたかったんです。新グループのオーディションでも、「ぜんぶ君のせいだ。がいいです!」ってずっと社長に言ってました。きっと何かがぶっ刺さったんでしょうね(笑)。

ーーぶっ刺さったんだ(笑)。その「何か」の正体は掴めてきたんですか。

襲:グループの内側に入ってみると、みんなの気持ちがすごいなって思ったんです。グループのことをみんなで考えたり、ぶつかり合ったり、でも本当に仲が良くて。だから、きっとどのグループよりも密度の濃い時間を過ごせているのが、パフォーマンスにも出る魅力なのかなと思いました。

もとちか襲

甘福氐 暗(以下、暗):甘福氐は逆に、オーディションのときから「ぜんぶ君のせいだ。にはちょっと……」と言っていたんです。今までずっと見てきて、ぜん君。がすごく好きだからこそ、自分には絶対なれないと思っていたから。もし入れたとしても、見ていた側から演者側になると心の整理が追いつかないだろうなって。でも、めーちゃん(如月)や社長ともいろいろお話して、それでも「ぜんぶ君のせいだ。に受け入れたい」と言っていただいて。自分が見てきた好きなグループに入れるなんて、幸せ以外の何物でもないので、それならぜんぶ君のせいだ。の一員になりたいなと思って決めました。

ーー好きなグループに入れるというのは特別な体験ですよね。雫さんはどうですか。

雫ふふ(以下、ふふ):ふふは、「何者かになりたい」と言って応募してきたんですけど、それってステージに立っているキラキラした人たちって、全てが完璧だと思っていたからで。でも、ぜん君。は「ありのままでいい。弱虫でいいよ」みたいな感じだったので、舞台に立ってる人たちに対してすごく共感したというか、ふふもなりたいと思いました。

ーー十五時さんは、加入から2年も経たないうちにグループが大きく様変わりしたわけですけど、今どのように感じていますか。

征之丞十五時(以下、十五時):もともと、めーちゃん(如月)、まっそん(ましろ)、よっちゃん(一十三)、ぼのがいて、一番最後に入ったのが私だったので、新メンバーだという感覚が抜けきれなかったんです。けど、3人が入ってから自分も教える側にもなって、ぜん君。としての自覚が前よりも濃くなったと感じていて。新しい3人に入ってもらってすごく良かったし、刺激をもらっていますね。

征之丞十五時

ーーなるほど。それこそメイさんも、つれづれであまり年数が経っていなかったときにリーダーになって、他のメンバーから刺激をもらいながら活動していた時期もあったと思うんですけど、つれづれが解散してぜん君。に加入することになって、どのように気持ちの整理をつけていたんでしょう?

メイユイメイ(以下、メイ):つれづれとしては「この4人が絶対いいから、4人のままで終わらせる」というみんなの意思が固まったので、解散することになって。それに関しては、整理できていました。でも、ぜん君。に入るのはライブをするまで全然実感が湧かなかったですし、いまだに気持ちの整理をしながらかもしれないです(笑)。

ーーそうなんですね。个喆さんは?

个喆:个喆はもう3つのグループを渡り歩いているので、特に整理とかもなかったですね。「楽しいのがいい〜!」っていう気持ち。

如月:そっか(笑)。

个喆:でも今はうるさくて楽しいです(笑)。何年も続けてきている2人をいきなりぶち込んで受け入れてくれるぜん君。って、ほんっとにすごい!

全員:はははははは。

如月:気持ちの整理かどうかわからないけど、2人は覚悟をしたんだなとは思いました。つれづれからぜん君。だし、入るときにきっといろんなことを考えたと思うんです。たぶんキツいことを言う人は言うと思うけど、そういうのも含めて活動していく覚悟を決めたんだと。それをライブでめっちゃ感じますね。

ーー具体的にどう感じるんですか。

如月:「常花」に〈言えない、言えるわけはない/この世に 君以上/僕を捧げたいと思うモノはない〉という歌詞があって、その振り付けで、自分とメイが交差して、次に自分と个喆が交差するシーンがあるんですよ。別に決めたわけじゃないんですけど、そうなっていて……。正直、よつとましって私にとってライバルだったし、お互いに自分たちがぜん君。を背負っているという自覚がすごく強かったんです。だからライブ中にお互い目のやりとりがめちゃくちゃ多くて、それがキツい時もあったんですけど、その奥には腹くくった女の顔が絶対にあったんですよ。ただ、十五時も含めて新しい4人からそれを感じることがなくて、どっちかというとみんな「楽しい」っていう感覚の方が強かった。入って3カ月とかだから当たり前なんですけど、同じ舞台に立っているからこそ、最初はそれが寂しいなと思っていたんです。でも、メイとこてちゃん(个喆)が入ってから、まずメイとライブ中に感情の受け渡しができるようになって。「常花」ですれ違うとき、メイの顔がめちゃくちゃ強いんですよ。お互い結構しんどい顔してるよね?

メイ:うん、ヤバい顔はしてる(笑)。

如月:その時に、この子も腹くくってきたんやなと思いました(笑)。その後にこてちゃんを見ると、すごい優しい顔と苦しい顔の2パターンがあるので、「こてちゃんも荒波に飲まれてきたんやな」って。それが寂しいと思っていた自分に刺さったんですよね。そこから3人と十五時の自覚も上がってきたので、7人になって本当に良かったと思いました。

「感情の共有はずっと大事にしています」

ーー素晴らしい。新しいぜん君。としての手札が揃った感じですね。

如月:本当にそうなんです。

个喆:个喆もライブ中に誰かと目が合ったときは、「負けない!」と思いながらやってるから。これは「个喆もぜん君。になれたわ~」と思いながらやってます。

ーーそういう気持ちは、个喆さんがグループを渡り歩いたから芽生えたものなんですか。それともぜん君。に入ったからこそ感じたこと?

个喆:ぜん君。に入ったからだと思います。つれづれの時も負けたくはなかったけど、そこまでバーンと強い感じではなかったので。ぜん君。特有のみんなのアツさにやられて、そうなった気がします。

个喆

メイ:メイは、自分の居場所はここしかないんだと噛み締めながらいつもライブしています。メイは涙もろいんですよ。つれづれだと、ライブ中1人で泣いていることが多かったんですけど、ぜん君。に入ってからは、自分が泣いているときはだいたいみんなも泣いていて(笑)。その時に、7人で一緒にライブしているんだという実感が湧くんです。だから、ここでずっと生きてやるぞっていう気持ちでライブしています。

ーーつれづれは、全く違う色合いの4人がそのまま1つのグループになっている面白さがありましたけど、ぜん君。の場合は、7人で1つのものをガチっと作り上げていこうとするパワーがありますよね。グループとして、感情の共有は大事にしているんですか。

如月:そうですね。「いま何を考えているの?」っていつも言い続けてます。だから(手の平を顔の前に持ってきて)本当はここで歌いたいんですよ。だって目の前2~3ミリの距離で歌って伝わらなかったら、客席に届くわけないじゃないですか。そんなに自分たちは一人ひとりが強くないこともわかっているので。だけど、全員の気持ちを一緒にして届けようとすれば、もっと範囲が広がると思うんです。だから感情の共有はずっと大事にしています。

ーーグループの近況がよくわかりました。そうして断続的にライブを行っているからこそ生まれた新曲が「堕堕」だと思うんですけど、すごく攻めたシングルだなと感じました。キャッチーかつ踊れる要素もあって新鮮なんですけど、本質はものすごくぜん君。らしいことを歌っていますよね。楽曲を受け取ったときはどう感じましたか。

ぜんぶ君のせいだ。”堕堕”Official MusicVideo

十五時:メロディを聴いたときに、すごくリズミカルで体を動かしたくなるような曲が来て、楽しそうじゃんって感じたんですよね。でも、歌詞を読んでみたらめちゃくちゃ重たいから、曲と歌詞のちぐはぐさがぜん君。らしくていいなって思いました。

襲:メロディも歌詞も激しくて重たいんですけど、自分たちにそれがスーッと入ってきて歌いたいと思う時点で、ぜん君。の音なんだなとすぐにわかって。「7人のぜん君。の曲なんだぞ!」という想いで、愛しています。

ーー素敵ですね。襲さんはもともとぜん君。に対しての気持ちが強かったと思うんですけど、この曲で一番グッときたポイントはどこでしょう?

襲:全体的に本当に好きなんですけど、一人ひとりシャウトしていく掛け合いの部分があって。メイや个喆のシャウトの個性も楽しめつつ、歌詞を見るとちゃんといいこと言っているんですよね。どの目線で見ても面白いなって。

ーー〈I can’t live without you, there’s no point in living〉のところですね。シャウトはどういう掛け合いになっているんですか。

如月:メイ、暗、襲、个喆の4人かな。

暗:みんなシャウトの質がバラバラで、聴いていて面白いんですよね。シャウトで曲に色をつけられるようになったのも強いと思います。