『GRADATI∞N』インタビュー

Little Glee Monster、初ベスト盤から選んだ思い出の3曲は? メンバーが『GRADATI∞N』と共に振り返るグループの軌跡

 Little Glee Monsterが、1月20日に初のベストアルバム『GRADATI∞N』をリリースした。2012年結成から2014年にメジャーデビューし、ドラマ・CMなどのタイアップ曲や『NHK紅白歌合戦』3年連続出場と、国民的な人気を誇るボーカルグループに成長したリトグリ。今作には、そんな彼女たちの歩みが新曲2曲を含めた3CD49曲収録というフルボリュームで収められている。

 本インタビューでは、各メンバーがベストアルバムの中から特に思い入れのある3曲を選曲。自身の成長に繋がった楽曲や思い出深い曲をはじめ、リトグリにとって転機となった曲、実は歌うのが難しい曲……など、メンバーそれぞれの視点から見たリトグリの軌跡を楽曲と共に紐解いていく。(編集部)

「リトグリってこういう曲も歌ってるんだ!」(芹奈)

ーーリトグリ初のベストアルバム、CD3枚組/全49曲と非常にボリューミーな内容に仕上がりましたね。収録曲はどうやって決めたんですか?

芹奈:スタッフさんが基本的な内容を考えてくださって、そこに私たちが意見を加えることで固めていきました。

かれん:実は最初、新曲を入れる予定ではなくて。既存曲だけで構成する予定だったんですが、あとから新曲2曲を入れることが決まったんです。

ーーそうだったんですね。その新曲「Waves」と「VIVA」はそれぞれタイプは異なりますが、どちらも今のリトグリを端的に表した楽曲だなと思いました。「Waves」はオール英詞で、曲調的には「SPIN」(2020年2月発売の5thアルバム『BRIGHT NEW WORLD』収録曲)からの流れを汲んだ新しいタイプの楽曲です。

manaka:洋楽みたいな、すごくカッコいい曲ですよね。

芹奈:いくつか候補があったんですけど、その中でも今までにないような構成だったので、この曲が一番いいなと。最近海外で流行っているようなタイプの楽曲なので、「リトグリってこういう曲も歌ってるんだ!」と思ってもらえるような楽曲がもうひとつ増えたなと思います。

ーー英詞はどうでしたか?

芹奈:久しぶりだったので、結構楽しかったです。

MAYU:正直、私は英詞が苦手で(笑)。レコーディングは苦戦しましたけど、ステージで歌いきれたら楽しいし、リトグリにとっても強みになると思うんです。ファンの皆さんの前で披露したときにどんな反応をしてくれるのか、今から楽しみですね。

ーーもう1曲の「VIVA」は、これまで「好きだ。」や「世界はあなたに笑いかけている」などを手がけてきた丸谷マナブさんによる、壮大なミディアムナンバーです。

かれん:曲自体は結構前からあったもので、歌詞やDメロの部分が初期の頃と比べてだいぶ変わっているんです。この曲はWOWOWで放送される『LPGA女子ゴルフツアー2021シーズン』のテーマソングにも決まっていて、聴いた人が前向きに頑張ろうと思えるポジティブなナンバー。歌っていても元気になれるし、「Waves」と違う魅力があると思います。

アサヒ:すごく開放的でハッピーオーラのある曲ですし、「Waves」に比べたらすごくハモりの量も多いので、そこも含めて皆さんに聴いてほしいですね。

ーーこのほか、アルバムのDISC 1には過去の代表曲新たに歌い直した“Sing 2020”バージョン16曲が収められています。最新シングル『Dear My Friend feat. Pentatonix』にもリテイクされた「Magic Snow -Sing 2020-」が収録されていましたが、今作への伏線だったんですね。

かれん:確かにそうですね(笑)。

manaka:DISC 1に収録された楽曲はオリジナルバージョンが存在することで、いろんな聴き比べができるんじゃないかと思うんです。例えばオリジナルバージョンは当時の年齢だからこそ出せたフレッシュさもありますし、リテイクしたバージョンは熟成させた安定感のある歌を楽しんでもらえるのかなと。そういう意味では、同じ曲でも新鮮に響くんじゃないかと思います。

かれん:じっくり、時間をかけて聴いてほしいですね。

年齢とともに歌える幅も広がってきている(アサヒ)

ーー今回のインタビューに際して、皆さんには事前にこのベストアルバム収録曲の中から「思い出の3曲」を準備していただきました。ここからは、それぞれの楽曲にまつわる思い出を伺っていきたいと思います。まずはアサヒさんから。

アサヒ:私は「恋を焦らず」「CLOSE TO YOU」「だから、ひとりじゃない」の3曲を選びました。「恋を焦らず」はレコーディングのとき、〈いやいやダメ〉のところをひとりで3人分ぐらい録って、それがすごく新鮮で。しかも、声のキャラクターも全部変えながら録ったのが印象深くて、思い出に残っています。

ーー「恋を焦らず」は4thアルバム『FLAVA』(2019年1月発売)収録曲ですが、技術的にもいろいろなことができるようになった時期だったのかなと思います。

アサヒ:そうですね。いろいろチャレンジしても、背伸びしている感が出ないぐらいになっていた時期なのかなと思います。

ーーそういう意欲みたいなものは、作品を重ねるごとに増している?

アサヒ:はい。例えば最近の「Waves」や「move on」みたいな曲は、昔だったら歌えなかったと思うけど、みんな年齢とともに歌える幅も広がってきているのかな。

ーー「CLOSE TO YOU」と「だから、ひとりじゃない」についてはいかがでしょう。

アサヒ:「CLOSE TO YOU」はMV撮影が楽しかったので選びました(笑)。メンバーが撮影をした映像も含まれていて、メンバー同士でしか見せない素顔もたくさん含まれているので。今回のベストアルバムにはMV集が付いている仕様もあるので、そちらでぜひ確認してほしいです。「だから、ひとりじゃない」もMVが印象的で。私、それまでUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に行ったことがなくて、この撮影で初めて行って感動した思い出があったので、選びました。ダンサーの皆さんや着ぐるみと華やかに踊れたのは、一生の思い出ですね。

ーー「だから、ひとりじゃない」含め、リトグリのMVにはワンカットの一発撮り作品も多いですが、演者として撮影は大変じゃないですか?

かれん:緊張感というよりは、みんな楽しんでやっている感じが毎回するよね。

芹奈:私たちは全然楽というか。カメラの位置や動きを覚えたら大丈夫なんですけど、逆にカメラマンさんとか撮影スタッフさんがかなり大変なんじゃないかな。もちろんNGも結構あったりしますけど、そのぶん成功したときの達成感が大きくて。ライブが終わったあとと同じくらいの充実感が得られるんです。

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