EXILE AKIRA

EXILE AKIRAが語る、新生EXILEの団結と「RISING SUN TO THE WORLD」にかける想い 「常に進化し続けるのがEXILEの精神」

 EXILE ATSUSHIが勇退し、14人での新体制が始動したEXILE。2020年末にかけて行われた『LIVE×ONLINE BEYOND THE BORDER』でも新体制の息もつかせぬアツいパフォーマンスを楽しむことができたが、「RISING SUN TO THE WORLD」を掲げてドームツアーに乗り出していく2021年こそ、本格的なNEW EXILEの狼煙が上がる時だと言えるだろう。2011年の東日本大震災時に放った名曲「Rising Sun」の意志を受け継ぎ、不死鳥の如くエンタテインメントで世界中に元気を届けようとする彼らの存在は、まさに希望そのものである。今回は「Mr. EXILE」とも称され、EXILE TRIBEの中心に立って多くの後輩たちを率いるEXILE AKIRAにインタビュー。2021年最初の声を通して、NEW EXILEの絆を、LDHのエンタテイメントにかける意志を存分に感じて欲しい。(編集部)

「信じるエンタテインメントを届けることでしか、きっと想いは伝わらない」

EXILE AKIRA

ーー昨年末の12月29日には『LIVE×ONLINE BEYOND THE BORDER』で、EXILE ATSUSHIさん勇退後、14人体制の新生EXILEとして初となるライブパフォーマンスを行いました。すごく熱のこもったパフォーマンスで、気合いが入っていることが伺えました。

EXILE AKIRA(以下、AKIRA):昨年末の『LIVE×ONLINE BEYOND THE BORDER』は、オンラインでのライブではありましたが、新生EXILEのスタイルをしっかりと提示できるよう、チームが一丸となってこれまで以上の団結力で挑みました。僕は20年近くEXILEに携わってきましたが、その歴史の中でも一番といえるほど攻めた内容で、しかもハードなライブになったと思います。リハーサルの時点ですごく体力を使うライブで、三代目 J SOUL BROTHERSのNAOTO、小林直己、岩ちゃん(岩田剛典)を始めとした、グループを兼任しているメンバーにとってはかなり大変だったと思いますが、それぞれが「for EXILE」の精神で挑んだ渾身のライブでした。その熱量は伝わったのではないかと思います。

ーー改めて、新生EXILEの特徴を教えてください。

AKIRA:EXILEはこれまでツインボーカルが軸になり、パフォーマーたちが周りでライブを盛り上げるというスタイルが基本になっていました。しかし、新生EXILEではEXILE TAKAHIRO、EXILE SHOKICHI、EXILE NESMITHの3ボーカルが変幻自在のマイクパフォーマンスを行い、パフォーマーたちもそれに合わせて縦横無尽なフォーメーションダンスを展開しています。よりいっそう、メンバー一人ひとりのストロングポイントを活かした構成になっていて、楽曲制作においてもメンバーたちの個性が表れています。

 新曲の「RED PHOENIX」は、まさにそんな新生EXILEを象徴するような楽曲です。ボーカル3人がそれぞれの個性を発揮した歌を披露していますし、SHOKICHIがドラムを、NESMITHがギターを担当し、クリエイティブユニット・PKCZ®へ加入した(白濱)亜嵐はDJを披露しています。EXILE THE SECONDではSHOKICHIを中心に様々な音楽ジャンルに挑戦してきましたし、TAKAHIROはACE OF SPADESで本格的にロックボーカリストとして表現の幅を広げてきました。そんな僕らの音楽性の広がりが、ロックなサウンドにも反映されていると思います。

EXILE / RED PHOENIX(from Single「RISING SUN TO THE WORLD」/ EXILE TRIBE)

ーーEXILEらしさはありながらも非常に熱い楽曲で、“不死鳥”のタイトル通り、復活の狼煙をあげていこうとする意思を感じました。

AKIRA:僕たちの今の熱量をストレートに表現した楽曲になっています。イントロの拳を挙げたくなるような合唱パートは、満場一致で決まりました。EXILEはEXILE TRIBEの中心であり、未来への指針を示さなければいけないグループです。その力強いイメージに、不死鳥のイメージが重なりました。

ーー『RISING SUN TO THE WORLD』は、2011年に東日本大震災へのチャリティーソングとしてリリースされて、今やEXILEの代表曲の一つとなっている「Rising Sun」の名を受け継いでいることにも、強い意思を感じました。

AKIRA:『RISING SUN TO THE WORLD』は1月末から開催予定のライブのタイトルでもあり、2021年のEXILEのテーマでもあります。仰るように、2011年に「日本を元気に」というテーマを掲げてリリースした「Rising Sun」の精神を受け継ぐ楽曲です。「Rising Sun」は、日の出と共にまた新しい1日がやってくることを信じて頑張ろうというメッセージを込めていましたが、そこに「To The World=世界へ」という広がりと、「RED PHOENIX」の不死鳥のイメージを重ねることで、どんな困難があっても立ち上がろうという強い決意を込めています。

 新型コロナウイルスのパンデミックによって、日本のみならず世界中の方々が今、先行き不透明な状況に不安を抱えて、絶望したり、苦しんでいると思います。僕らは東日本大震災の時に、エンタテイナーとして大きな無力感を覚えたのですが、「Rising Sun」とともに日本各地を周って少しでも元気を届けようと活動してきたことで学んだことも多くあります。メンバーそれぞれが、日本を元気にするために何ができるのかを考えて活動したことは、微力ではあったかもしれないけれど、無駄ではなかったはずだと考えています。

 もしかしたら、僕らが掲げるテーマは綺麗事に映るかもしれないし、物事を美化しているように映るかもしれません。でも、覚悟を決めて大きなテーマを掲げて、自分たちの信じるエンタテインメントを届けることでしか、きっと想いは伝わらないと思います。僕たちが強い気持ちで前を向いて進むことが、皆様のパワーに繋がることを願っています。

EXILE / Rising Sun (EXILE LIVE TOUR 2018-2019 “STAR OF WISH”)【Full Size】

「生身で伝えること、人間の力の重要性を改めて感じた」

ーーコロナ禍によって、エンタメ業界も非常に厳しい1年となりました。こういう状況の中で、改めてエンタテイナーとして感じたことは?

AKIRA:エンタテイナーは特殊な職業で、社会にとって必ずしも最優先で必要とされるものではないかもしれないけれど、いつの時代も人々の心に勇気や元気を与えるものだと信じています。長らくエンタテインメントの仕事をしていると、様々な価値観や人々の考え方に流されて、その本質的な価値がブレてしまいそうになることもあるのですが、こういう時だからこそ、なぜ自分たちはステージに立とうと思ったのか、初心に返ることが大切だと思います。僕たちLDHアーティストは、「Love, Dream, Happiness」を伝えるために、その都度シンプルにベストを尽くしてお客様にパフォーマンスをお届けするだけです。

ーーこの1年、新たな試みとして『LIVE×ONLINE』を続けてきて気づいたことはありますか。

AKIRA:こういうインタビュー取材や会議もそうですし、今年はあらゆる物事がオンラインで代替されるようになって、ライブもオンラインで届けることになったのですが、感覚的にはストリートで手作りのパフォーマンスを届けていた頃に近いものがありました。僕らがまだEXILEになる前は、本当にあらゆるものを手作りでやっていて、誰に向かって踊っているのかも見えていませんでした。有名ではなかったので、誰も僕らのダンスに注目はしていなかったんです。だけど、一生懸命に踊った先に、いつか必ずお客さんがいると信じていました。『LIVE×ONLINE』はもちろん、カメラの向こうにお客さんがいるわけですが、しかしドームでやっている時のように歓声が上がるわけではありませんから、カメラの向こうにいるお客さんたちのことを信じてパフォーマンスをし続ける必要があります。そういう感覚には、やはり初心を思い出させられました。

ーー初めての試みで、実験的な部分も多かったのでは。

AKIRA:そうですね。普段、僕らはドームでライブをしていたのですが、ド派手な演出に助けられていた部分もたくさんあったと感じました。もちろん、これまでも一人ひとりが全力でパフォーマンスをしてきたのだけれど、今回の『LIVE×ONLINE』を通して、もっとパフォーマーそれぞれが生身で伝えること、その人間の力の重要性を改めて感じましたね。また、どうやってカメラ越しにライブの臨場感を伝えるかを真剣に考えたことで、クリエイティブな側面でレベルアップできたところもあると思います。その意味では本当に勉強になった1年でしたし、再び皆さんの前でパフォーマンスする暁には、よりパワーアップした僕らの姿を見せることができると思います。だから、次のライブが楽しみで仕方ありません。

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