TRICERATOPSの音楽性と人間性へのリスペクト 『TRIBUTE TO TRICERATOPS』を聴いて

 そして、TRICERATOPS自身が参加したQuattro Formaggiの「ラストバラード」は、もう言わずもがなな出来。ポップスターである桜井和寿にもしっくりとはまるスケール感の楽曲を、TRICERATOPSは生み出してきたということがよくわかる。

 とどめに……とんでもないコラボレーションがボーナストラックとして収録されるというニュースが飛び込んできた。2017年にTBSで放送された小田和正の「クリスマスの約束2017」で、和田唱&小田和正として披露された『Fever』! オンエアを記憶している人も多いかもしれないが、あのディスコナンバーを、和田唱と小田和正の歌声が重なり合うという、贅沢の極みのみならず、楽曲やふたりの歌声の新たな魅力を引き出した伝説的コラボレーションが、今作にパッケージされる意義はとても大きい。

 リフ、メロディ、アレンジ、歌声、センス……幅広い参加ミュージシャンのカバーから、TRICERATOPSの魅力が多角的に見えてくる今作。これを機に――Base Ball Bearの小出のコメントを引用させてもらうと――「日本を代表する3ピースバンド」とTRICERATOPSが呼ばれる理由を、あなた自身の耳で感じてほしいと思う。

■リリース情報
『TRIBUTE TO TRICERATOPS』
発売:2020年12月30日
仕様:BONUS TRACK 含む 12 曲入り CD1枚+ブックレット
販売価格:¥3,300(税込) 

トリビュートアルバム「TRIBUTE TO TRICERATOPS」特設サイト

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