『VS嵐』総合演出が振り返る、“嵐の5人とだからこそ”できた番組づくり 名物企画誕生秘話や思い出深いエピソードも明かす

『VS嵐』総合演出が振り返る、嵐との思い出

嵐は何をするにしても誠意ある姿、言葉を届けてくれる

ーーこうした企画だけでなく、オープニングトークもいつも面白いですが、テーマはどのように決めているんですか。

萬匠:嵐って、スーパーアイドルですけど、いわゆる芸能人っぽくない、本当に一般の人の感覚を持っているんです。だから、視聴者の皆さんにも身近に感じてほしいなと。視聴者が「自分はこうだけど、嵐はこうなんだ」って、比べられるような内容になったらいいなと考えています。「好きなアイスクリームなんですか?」とか(笑)。彼らの中学生、高校生時代はすでに一般の方とは少し違った人生ですけど、小学生の頃の話とかは視聴者と同じ経験をしているはずなので、そういう思い出話も共感して見てもらえるのではないかと思い、盛り込むようにしていました。

ーープラスワンゲストや対戦相手などのキャスティングを考えるときのポイントはありますか?

萬匠:“共通の言葉がある人たち”ですかね。控え室でも楽しいチームがいいなというイメージです。チームワークというか、仲良くやって欲しいので、例えば、同い年の年男・年女のチームだったり、お土地柄が出やすい地域の同じ出身地括りだったり。ゲームでのチームワークもそうですけど、トークもそのほうが楽しくなるかなと思っています。

ーーゲームがメインの番組ではありますけど、合間のトークがキモになっているなと思います。

萬匠:ゲームがあるから、トーク番組で投げかけるような質問とは違う、もう少しライトな質問ができるというか。「ゲームのついでに喋ります」くらいの方が、聞き出せることがあるし、柔らかい雰囲気でゲストも話しやすいのかもしれません。

ーーまもなく最終回ですが、改めて振り返ってみて特に思い出深いエピソードは?

萬匠:ハワイで撮影した回(2014年/『祝!嵐15周年記念VS嵐 ハワイで大野が泣いちゃったSP』)はやっぱり印象的ですね。15周年ライブの翌日に『VS嵐』のロケができたのですが、ライブの緊張感から解き放たれた初日だったので、本当に“慰労会”というか。トークテーマも実を言うと、こちらで色々用意はしていたんですけど、持っていたカードは何も切りませんでした。デビュー当時の思い出など、そんな話聞けちゃうんだということが聞けたので。まさか、リーダーが泣くなんて思っていなかったですし(笑)。大野さんって、画面を通しても、普段も、あまり感情を表に出すタイプではないので。当然メンバーの皆さんは知ってる一面だったと思いますけど、10年近く一緒に仕事をしている僕らスタッフでもそういう姿を見る機会がなかったので、すごくびっくりしたというか。とても思い出深いですね。

ーー先日の『第2回VS嵐王2時間SP』でも触れられていましたが、伝説的な回ですよね。

萬匠:そうですね。だから、なるべく変な手を加えたくないな、嵐5人のドキュメントを演出しないで、そのまま素でお届けしたいなと思いました。最近で言えば、緊急事態宣言が出て、観客どころかゲストも呼べない、スタジオに入る人数も限られる状況になったときです。他の番組は再放送や総集編をやっていたんですけど、嵐は今年で活動休止ですし、4月、5月のタイミングで総集編を出すのは違うかなと思っていたのと、こんな時期だからこそ、毎回新しい『VS嵐』をお届けするのが使命だ、という思いもあって。そこで「リモート嵐-1グランプリ」を提案したんです。そうしたら、すごく前向きに乗ってくれて。その段階ではまだ詳細が見えるような内容をお伝えできなかったんですけど、嵐も新しい『VS嵐』を毎週やりたい、と乗ってくれたのはすごく印象的ですね。

ーーリモート収録がまだ一般的でなかった、早い段階で決断されたんですね。

萬匠:あとは番組開始当時に最初に『VS嵐』のセットを見に来たとき、相葉(雅紀)さんが「すごいセットですね!」と言ってくれたのを覚えています。あとは初回収録が終わった後に、二宮(和也)さんが手ごたえを感じてくれたのか、「面白かった?」って聞いてくれて(笑)。当初は土曜のお昼の番組でしたが、ゴールデンでも2回ぐらいスペシャルができて。ずっと『HEY!HEY!HEY!』をやっていたので、ゴールデン特番自体は経験があったんですけど、嵐と土曜の昼にゼロから立ち上げた番組が、特番になり、ゴールデンでレギュラー化するというのがすごく嬉しかったです。

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