日向坂46、視聴者に与える幸福感とは何なのか アイドルという職業を全力で楽しむ尊い姿

 とある音楽番組で日向坂46のパフォーマンスをみた。明るくてリズミカルな音楽なのに、どうしてこんなに涙が溢れてくるのか。気づいたときには胸がいっぱいになって、ものの数分ですっかり魅了されていた。彼女たちのパフォーマンスから溢れる魅力は何なのだろうか。

日向坂46『ひなたざか』(通常盤)

  理由を探るべく、日向坂46が出演した音楽番組および公式YouTubeチャンネルを改めて見直してみた。すると理由はすぐにわかった。パフォーマンスをみて真っ先に感じたのは、彼女たちは全力で楽しんでいるということ。一つ一つのステージを、アイドルという職業そのものを、人生そのものを全力で楽しんでいるようにみえた。また、たった数分のパフォーマンスからこのような壮大な感情を抱いたのも、幾つかワケがある。

 一つは、生き生きとした笑顔。ハッピーオーラは日向坂46の代名詞ともいえるが、この言葉そのものをメンバー一人一人がしっかりと体現できている。笑顔は底抜けに明るく、心の底からステージを楽しんでいるのが十分に伝わってくる。最近では“アザトカワイイ”を武器にする彼女たちだが、女子からは敬遠されそうなそんな仕草も、パフォーマンスとして爽やかに取り込んでみせる。すべてはその底抜けの明るい笑顔が何でもアリにしてしまうのだ。

 笑顔だけではない。日向坂46は、一人一人が輝く特別なグループといってもいいだろう。笑顔の中にある瞳はキラキラと輝いていて、それはカメラがどのメンバーにフォーカスしても同じことがいえる。いち視聴者としては、もはやセンターポジションとその他のポジションの境界線はどこにもないように感じた。そして一人一人が輝くための秘密は、あらゆる場面に隠されていた。活動休止から復活したメンバーや加入したばかりの新三期生が目立つように組まれたフォーメーション、一人一人の魅せ場をしっかりと詰め込んだミュージックビデオをとっても、日向坂46が個々のメンバーの輝きを大切にしていることは明らかだった。

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