『#リモラブ』主題歌は、なぜこれほどまでに沁みるのか 福山雅治から届いた現代の新たなラブソング
「心音」は福山のどこまでも甘く、深く、響く歌声だからこそ、作品の魅力をより一層増幅する。何しろ、恋愛に奥手な美々と青林はSNSを介さずお互いに気持ちを伝え合えるようになったばかりなのだ。そんな2人はいつも心の中で相手を思いやり、相手の気持ちを推測し、一生懸命に向き合うわりには、実際にはなかなか行動に移せないことも。こうした考えすぎてしまう2人の気持ちの切なさをじんわり溶かすようなロマンチックな歌声は、福山ならではのもの。
甘く優しい歌声と、繊細な歌詞でドラマをより輝かせる「心音」は、美々の心が静かにゆっくりと音を立て、恋に向かっていく様子がひたむきに描かれた楽曲なのだ。
■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter