BiSHら活躍で定着した“アイドル×ロック”のフォーマット 空想と妄想とキミの恋した世界の楽曲に感じる新たな個性

 空想の歌詞はメッセージ性が強い。それは大人への反抗をテーマにした歌詞が多い欅坂46楽曲とも通じる部分でもある。しかし空想は反抗するのではなく、大人を信じたい気持ちを歌詞から感じる。「未成年。」では〈ねぇ先生!ホントのこと言うとね こんな世界だけど 夢見たいんだけど〉と歌っており、「存在証明」では〈気付いて欲しいの もっと 解って欲しいの〉と歌っている。反抗ではなく「認めて欲しい」「助けて欲しい」という気持ちが強いのだ。思春期から大人になる間の感情を他のグループとは違う視点から表現している。この個性は空想が若者を惹きつけるきっかけになるかもしれない。

空想と妄想とキミの恋した世界 「未成年とか。」【公式】MV

 しかしまだ結成2年目のグループ。歌唱やパフォーマンスには荒削りな部分がある。もしかしたら楽曲の世界観を100%表現しきれてはいないかもしれない。そのためまだ魅力が伝わりづらいかもしれない。

 そのこともメンバーは理解しているのだろう。メンバーの仲谷瑠夏はインタビューで「やっとちゃんと戦えるスタートラインに立てたと思う」と語っている(参照:空想と妄想とキミの恋した世界が語る、これからの活動に懸ける思い 新メンバー迎えて臨む渋谷O-WESTワンマンに向けて)。これから本当の意味でグループが攻めの姿勢で活動していくということだろう。12月3日には初CD作品『未成年とか。』がリリースされ、1月17日には新メンバーを迎えたワンマンライブを渋谷TSUTAYA O-WESTで行う予定だ。

 彼女たちがBiSHのようなロックなアイドルとして多くの人に認められたり、欅坂46のように若者に共感されるアイドルになれるかは未知数だ。しかしこれから攻めの姿勢で活動していくグループにはきっと明るい未来が開けているのではと、空想や妄想をしてしまう。空想と妄想とキミの恋した世界は、今のうちから注目するべきグループの一つではないだろうか。

■むらたかもめ
オトニッチというファン目線で音楽を深読みし考察する音楽雑記ブログの運営者。出身はピエール瀧と同じ静岡県。移住地はピエール中野と同じ埼玉県。‬ロックとポップスとアイドルをメインに文章を書く人。
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