“日プ”&“虹プロ”人気、『愛の不時着』ヒット……韓流ブームは単発では終わらないものに 「第4次」に至るまでを解説

『愛の不時着 オリジナル・サウンドトラック』

 コスメやファッション、雑貨やカフェ・スイーツなどいわゆる「韓国っぽ」いイメージは今や若年層を中心に新しい(アラサー以上には懐かしい感性でもある)かわいさとして定着しつつあり、まだ「第3次」の余韻も冷めやらない2020年に、Netflixユーザーを中心にSNS経由の口コミで人気が広がっていったのが、今ではTVの人気バラエティのパロディコントでも見かけるドラマ、『愛の不時着』『梨泰院クラス』だ。両作とも韓国でも大ヒットした作品であり、『梨泰院クラス』の場合OSTにK-POPアーティストが参加していたことで元々人気になる素地はあったと言えるが、やはりNetflixで配信されるようになった影響は大きいだろう。ちょうどCOVID-19の流行による「家で楽しめるコンテンツ」の需要が広がったタイミングもあり、スマホやSNSの普及だけではなく、有料動画配信サイトが定着しつつある時代の新しい流行の形と言えるだろう。

 直前にアカデミー賞で作品賞・監督賞を受賞した映画『パラサイト 半地下の家族』が、受賞前からSNSでの口コミの後押しを受けて大ヒットしたのも「韓国エンタメ」に対する興味の追い風になった部分もあるかもしれないが、『パラサイト』以前の2014年の『新しき世界』以降、特にSNSではファンダムと呼べるくらいの規模の「韓国映画クラスタ」が形成されていたように、すべての「韓流ブーム」はすでに単発のものではなくなっている。韓国コンテンツを日本流のやり方で取り入れたとも言える『PRODUCE 101 JAPAN』や『Nizi Project』の人気も、過去の流行やジャンル定着によってある程度のカルチャー需要のベースがあったからこそ、一般層にまで波及するパワーを持っていたのだろう。すでに「韓国カルチャー」は広範囲にサブカルチャーとしてある程度日本では定着しており、その中から一般層にまで飛び火する話題作が出た時にメディアで「ブーム」として扱われるということではないだろうか。

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ」
Twitter:@djutakata

関連記事