LDH JAPAN主催ドームツアー、ライブ市場への影響は? “コロナ以降の新たなロールモデル”となるか

 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(以下、三代目 J SOUL BROTHERS)が11月10日に行った有料配信ライブ『LIVE×ONLINE INFINITY 三代目 J SOUL BROTHERS 10th ANNIVERSARY“JSB HISTORY”』にて、LDH JAPANが2021年1月からドームツアー『EXILE TRIBE LIVE TOUR 2021 RISING SUN TO THE WORLD』を開催することを発表した。

 同ライブは、三代目 J SOUL BROTHERSのデビュー10周年を記念して開催されたもので、ライブ後半にはサプライズゲストとして初代 J SOUL BROTHERSより、松本利夫、EXILE MAKIDAI、ニ代目 J SOUL BROTHERSの面々、EXILE AKIRA、 EXILE TAKAHIRO、そしてJr.EXILE世代よりGENERATIONS from EXILE TRIBEも出演。豪華で濃密なライブを通して画面越しのファンとともに、三代目 J SOUL BROTHERSにとって大きな節目となる10周年を祝福した。ライブの最後には、新型コロナウイルスによって大きな打撃を受けた音楽業界/ライブ市場の復興を目指し、業界内で先駆けて大型ライブを再開することが明かされた。

 LDH JAPANは今年の2月以降、新型コロナウイルスの影響で予定していた4年に一度の大型公演企画『LDH PERFECT YEAR 2020』の中止を余儀なくされたが、有料配信ライブ『LIVE×ONLINE』にいち早く取り組むなど、柔軟な姿勢を見せてきた。しかしながら、ライブ市場の調査を行っているぴあ総研によると、2010年から2019年にかけて市場規模が約3159億円から6295億円に成長してきたライブ市場は今年、約8割が消失すると試算されている。(参考:2020年のライブ・エンタテインメント市場は、対前年約8割減に。ぴあ総研が試算値を下方修正

 ぴあ総研の所長・笹井裕子氏は、今回LDH JAPANが大型ライブを再開することの重要性を、次のように指摘する。

「この10年、ライブ市場が順調に拡大してきたことの大きな要因の一つに、ドーム公演をはじめとした大規模ライブが数多く行われるようになったことが挙げられます。音楽の視聴環境の変化によって、CDなどのフィジカル商品は1998年をピークに販売数が下がっていきましたが、音楽業界はいわゆる360度ビジネスーーアーティストが持つ発信力や求心力を、ライブやグッズ販売などあらゆる方面で活用して収益化するーーを確立することによって、成長してきました。中でも三代目 J SOUL BROTHERSは、2017年に5大ドーム公演数・観客動員数・東京ドーム公演数の三大最多記録を樹立した、いわば大規模ライブを象徴するような存在です。彼らの公演の成功は、業界全体にとっても光明となるはずです」

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