ばってん少女隊、『ふぁん』で遂げた大きな飛躍 5年間を振り返るプレイリストに見る音楽的な成長

 10月28日にリリースされた、ばってん少女隊のニューアルバム『ふぁん』は非常に画期的な内容の力作だ。すでに同作を耳にした、あるいは彼女たちのインタビュー(ばってん少女隊が語る、アルバムでの成長とエンターテインメントの発信 「自分たちでグループを作っている感覚がある」)に目を通した方にならその“画期的”の意味はよく理解できることだろう。

 本作の聴きどころは、なんといってもダンスミュージックを軸にしつつ、楽曲の幅を過去最大級に広げたことで、かつてないほどの多彩さを身につけたことに尽きる。この春にプライベートレーベル<BATTEN Records>を立ち上げ、グループ結成5周年を迎えた6月21日から5週連続で新曲をデジタルリリースしてきたが、すべてはここから始まったと言える。1週目にリリースされた、彼女たちらしさに満ち溢れたスカパンクチューン「ありがとーと」はむしろ序の口といったところで、2週目配信の「でぃすたんす」ではネットリしたグルーヴ感がたまらなく気持ち良いファンクナンバーに挑戦。さらに3週目配信の「Over」では音数の少ないアコースティックベースのバックトラックに、歌唱面で大きな飛躍を遂げた5人のハーモニーや複雑に入り組んだコーラスワークを楽しむことができた。

 そして、4週目配信の「Dancer in the night」では2000年代に流行したディスコパンクにも通ずる、クールさに満ちたダンスナンバーを表現。連続リリースの最後を飾った「MILLION SUMMERS」では楽曲制作に2ndシングル「よかよかダンス」(2016年)や6thシングル「BDM」(2018年)でおなじみの小野武正(KEYTALK)を迎え、極上のサマーダンスロックを提供してくれた。それぞれタイプはバラバラながらもビートを大切にしていることに共通点を見出すことができ、結成5周年を経て歌い手としての実力が向上した今のばってん少女隊にしか表現できないものに仕上がっている。

 以上を踏まえてからアルバム『ふぁん』を聴いたとしても、我々の想像の斜め上をいくバラエティに富んだ同作は、アルバムを聴き進めるごとに驚きが増し、ラストナンバーの「Over」を聴き終えたときには感動すら覚えてしまう。そんな画期的な仕上がりなのだから、痛快ったらありゃしない。

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