NiziU、メンバーが歌声で放つ9通りの個性と輝き 『Nizi Project』内パフォーマンスや「Make you happy」から分析

 またラップを得意とするメンバーは、NiziUにとってパフォーマンスの肝とも呼べる重要性をまとっている。

 初登場からオリジナルラップを繰り出し視聴者を驚かせたRIMAは、J.Y. Parkから与えられた「典型的な表現はしないでください」という課題を見事に克服し「Make you happy」では普段の話し声にも表れているソリッドかつキュートなトーンで、歌い出しとラップパートを印象的に飾った。また終盤には歌唱力も高く評価されていた彼女だけに、メロディアスなフロウも得意とするラッパー像を予感させる。

 人生で初めてのラップに挑戦したという東京合宿「DALLA DALLA」(ITZY)で才能を開花させたMAYUKAも今後、グループのラップ担当として活躍するメンバーだろう。「Make you happy」で披露したエネルギッシュな高速ラップは楽曲全体のスピード感を一気に加速させるファクターとなり、多くのリスナーの心を掴んだ。

[Nizi Project] Part 1 #9-2

 そして、メインボーカルとして特に高音パートで大きな信頼を寄せられるのはNINA。末っ子でありながら、力まずとも幅広い音域を響かせるボーカルスキルと華やかで伸びのある声色、そして本人が音楽へ燃やす情熱はステージ上で頼もしく発揮され、グループのパフォーマンスをさらに輝かせていくことだろう。

 12月には待望のデビューシングル『Step and a step』のリリースがアナウンスされている彼女たち。それぞれが放つ9通りの輝きがボーカル面においてどのように活かされていくのか、今から期待が高まる。

■菅原 史稀
編集者、ライター。1990年生まれ。webメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーを文化人類学的観点から考察する。Twitter

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