『TOKYO IDOL FESTIVAL オンライン 2020』インタビュー

『TIFオンライン』総合プロデューサーに聞く、開催までの経緯と配信でのこだわり 今と未来のアイドルシーンへ向けた思いも

VTuberだろうとアイドルはアイドル

――当初の予定からオンライン開催に移行したことで、出演者側からなにかリアクションはありましたか?

菊竹:このイベントは、まず向き合う事務所が100、200になってくるので、コロナに対する考え方って事務所によっても全然違うんですよね。オンラインでやるとなったら、「客入れてほしかったです。残念です」という事務所もあれば「今はオンラインが当然だよね。支持します」というところもある。事務所はアイドルを抱えて、さらにその先のご家族の方たちも関わってくるので、(一つとして同じ)正解がない、1人ひとり違うのと同じで、事務所も全員見解が違うというのが、今年キャスティングで向き合った印象です。結果、皆さん二つ返事で出演を快諾していただいていて。これって、我々が10年やってきた事務所との信頼関係なのかなと思います。だって、オンラインでやるとなっても、誰も「じゃあ、どうやるのか」わかっていない。僕らだってわかってなかったです、出演を打診するとき。お互いにわかっていない中でも「お声掛けいただいたら、全然出ますよ」って言ってもらえるというのは、積み上げてきたものがあったからなのかな、と思いましたね。みなさんに助けられてるなと思います。

――実際に私も何度か『TIF』に足を運んでいるんですが、会場のいたるところでファン同士の交流も盛んに行われていて、そういう交流もアイドルシーンが活性化した理由であり、なにより『TIF』が11年も続いてきた理由の一つだと思うんです。オンライン開催において、なにかファン同士の交流を設けるような場などはあるんでしょうか?

菊竹:ファン同士の交流ってまさしくで、年に1回、この場でしか会わない知り合いとかもいるそうで。なんか同窓会みたいな、そういう場があることが魅力だと言ってくれるファンは多かったので、今年、その機会を用意できないのは残念だなと思うんですけど。なので、今年は逆にファンのみなさんにお願いというか期待したいのは、配信にはコメント機能も付きますし、あとはTwitterなどのSNSでも、いつも以上にガンガン盛り上げていただけたら嬉しいなと。

――『TIF』を始め、アイドルを心の底から応援したいと思っているファンは、きっとSNSでも盛り上げてくれると思います。

菊竹:考えたんですよ、色々。バーチャル空間を作って、そこにファンの人たちがアバターを使って誰でも参加できて、時々アイドルたちも本人が入ったアバターを歩かせたりとかして交流したりとか。あとはZoomを使ってファン同士が交流できるような形を作ったり。色々考えたんですけど、セキュリティやシステムの付加の部分でなかなか難しくて。でも、もし来年もオンラインで開催することになったら、その時は技術革新が起きて、きっと今年できなかったことができていると思います。VR空間は一つの部屋に入れる人数に制限があるので。もちろん、お金をかければそれなりのシステムは構築できるんでしょうけど、今の状況だとなかなか気軽に飛び込めない部分ではあって。だから、今年はSNSで盛り上げてほしいなと思っています。

――既存のステージ以外にもバーチャルTIFやCG laboといったオンラインだからこそのステージも今年は設けられていますよね。これはそのまま、オンラインで開催するからこそ作ったステージということでしょうか?

菊竹:そうです。まさしく振り切ろうと思ったときに作ったもので。CGステージなので、全部合成してお届けするステージなんですけど。これは客入れしたらできないことなので、オンラインの今年だからこそ挑戦できるかなと思ってやってみようと。VTuberも同じで、去年あたりからバーチャルアイドルの子たちから「『TIF』に参加したいです」というお話をいただくようになって。それで去年トライアルでVTuberのえのぐさんに出演してもらったんですけど、その時はなかなかモニターとかのスペック的に100%のパフォーマンスを届けられなかったなと思っていて。でも、今年だったらそれもできるんじゃないかと思い採用した感じですね。

――今年はえのぐさん以外にも多くのVTuberが出演する上で、彼女たちに期待したいことはありますか? VTuberの方々が新しい『TIF』のファンを連れてきてくれる可能性もあると思いますが。

菊竹:バーチャルの子たちのファン層が、リアルな人たちのファン層と全然違うことは認識しているんですけど、このイベントに参加してくれたときの化学反応というのは、なくてもいいのかなと思っていて。それより普通に馴染んでほしいと思っています。VTuberだろうとアイドルはアイドルであって、『TIF』は女の子のアイドルの祭典なので、普通に馴染んで、大いに盛り上げてくれたら嬉しいですね。なので、ホームページの出演ラインナップも、リアルのアイドルもVTuberも同列に並べているのはそういう思いからなんです。

――人間だから、バーチャルだからとか関係なく、純粋にアイドルとして楽しんでほしい。

菊竹:そうですね。2次元も、2.5次元も、3次元もそれぞれのフィールドがありますが、すべて“女性アイドル”として、縦にカテゴライズするのがうちのフェスの強みかなと。

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