3MCラップクルー BLOOM VASEがバイラルチャート上位に 「CHILDAYS」に垣間見えるヒップホップマナーと遊び心
リリックやMVからだけでなくサウンドからもテーマ性が強く出ている。おもちゃのピアノを思わせるサンプリングが全編を通して印象的に使われており、フックになる〈Forever Children ガキのまんま/くだらないことでわらってたいんだ/ときがたったって こころは Young Heart/あのなつかしいおもちゃも チャッチャッチャッ〉の部分ではボーカルにオートチューンがかけられ、おもちゃのロボットのような質感を演出している。一方でピアノの音色にしてもオートチューンにしてもテーマ性に引っ張られ、これ見よがしに強調されたサウンドにならず、あくまでヒップホップのマナーから逸脱しない塩梅となっていることが全体としてのクールさを担保しているように思える。
本楽曲だけでなく、2nd EP『BLOOM iSLAND』から新たにいくつかの楽曲のMVを公開しているBLOOM VASE。複数の楽曲がチャートを席巻する日も近いかもしれない。
■Z11
1990年生まれ、東京/清澄白河在住の音楽ライター。
一般企業に勤務しながら執筆活動中。音楽だけにとどまらず映画、書籍、アートなどカルチャー全般についてTwitterで発信。ブリの照り焼きを作らせたら右に出る者はいない。
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