EXILE THE SECOND、ソウルフルなSHOKICHIと深い響きのNESMITH ボーカリストの特徴とコンビネーションを分析

「瞬間エターナル」

 EXILEを筆頭として今や幅広い世代のメンバー達が属し、様々なグループ形態で革新的なエンタテインメントを発信し続けているEXILE TRIBE。本稿では、そのEXILE TRIBEに属する各グループの“歌い手”達に焦点を当て、一人ひとりの歌声の特徴やグループとしてのコンビネーション力を分析する。

 第6回目は、EXILEメンバーによる派生ユニットから始まった6人組グループ・EXILE THE SECOND。多方面で精力的に活動し続ける、非常に個性の強いツインボーカルについて紹介する。

音楽的素養を活かし様々な楽曲をソウルフルに歌い上げる、EXILE SHOKICHI

 ロックのルーツを感じさせる野性的な色気漂う声質と圧力のある力強い発声、それらによるソウルフルな歌唱が印象的なEXILE SHOKICHI。作詞・作曲を数多く手掛ける音楽的素養の高さはボーカリングにも表れており、曲調を問わず自身の歌声そのものでグルーヴを作り出し、エモーショナルに歌いあげる。さらにライブでは様々な楽器の演奏もこなすなど、LDHアーティストの中でも特に“生粋の音楽家”という印象が強いボーカリストだ。

太く深い響きが一度聴くだけで強い印象を残す、EXILE NESMITH

 まるで管楽器のような芯の太さ、そして轟くような低音の深い響きが非常に印象的なEXILE NESMITHの歌声。若干ハスキーな声質とR&Bのルーツを感じるボーカリングがSHOKICHIとはまた異なる強い個性になっており、それが洗練されたサウンドと合わさることで様々な化学反応を起こしている。ロック、EDM、または正統派なポップバラードなど、どんな楽曲もブラックミュージック的な歌唱で歌いこなすという点では、LDHアーティストだけでなく日本国内のメジャーシーンにおいても珍しいタイプのボーカリストと言える。

「瞬間エターナル」「RAY」から考える、ツインボーカルのコンビネーション

 彼ら2人は先に紹介した通りそれぞれが非常に個性の強いボーカリストであり、また楽曲に合わせて構成やパフォーマンス形態を組み替えることも多いため、今回は2つの楽曲を通して紹介していきたい。

 まず、グループの最新曲であり今後新たな代表曲にもなりそうな「瞬間エターナル」。シンプルな4つ打ちのビート、光彩を放つスタイリッシュなポップサウンド、そしてそこに乗る2人の歌声のエネルギッシュな掛け合いが絶妙なキレを生み出しており、中毒性のある一曲だ。

EXILE THE SECOND / 瞬間エターナル(Music Video)

 EXILE THE SECONDのほとんどの楽曲がそうであるように、この曲もSHOKICHIの歌声から始まる構成となっている。SHOKICHIのセクシーな歌声がうねりながら上昇していくような勢いを感じさせるのに対し、後に続くNESMITHの声は下方に奥行きを広げていくような低く深い響きを伴って聴こえてくる。この掛け合いの繰り返しの中で生まれる力強いグルーヴがタイトなビート音と合わさることで、独特なキレのある聴き心地になっている。

関連記事