BTSを強くするARMYの存在と謙虚な姿勢 米ビルボードシングル韓国人アーティスト初の1位獲得、オンライン記者会見を振り返る

 最後に設けられた質疑応答の時間ではまず、SNSに“涙が止まらない”と書き込んでいたJIMINへの質問が飛んできた。その涙の理由については自分にもよくわからなかったとしながらも、「ぼくたちが守ってきたこと、やってきたことがあってそれが認められた、報われた感じがして、今このような時期に手をつないで立ち上がったことが讃えられた気もして、いろいろな複雑な気持ちで涙が出たんだと思います。記録を見た途端、本当にコンサートがしたい、ARMYの皆さんに本当に会いたいと思いました」とファンへの思いも交えながら涙の理由を語った。そしてリーダーのRMにも「本当にお疲れ様。RMさんのおかげでここまで来られたよ」と伝えたという。

 また、今回の大きな成功に際し、彼らはいままでの軌跡を振り返った。7年前のデビューショーケースで言っていた“新人アイドルは生き残れないという言葉もあるが、最後まで生き残って大衆に愛されるグループになる”という抱負を振り返っての想いを問われたJ-HOPEは、「7年前、多くのグループがデビューしていた時期だったため体力が許す限り頑張りました。今では想像していたより本当に多くの愛を受けています」とし、7年前の自分には、「J-HOPEよくがんばったね、その努力は裏切らないよ」と伝えたいと答えた。また、「メンバーは本当に大切で、これは何回言っても足りないくらいですが、僕にとってはいなくてはならない、そして僕が生きる上での大きな理由の一つだと思います。7年間頑張ってくれてありがとう。これからもずっとずっと生涯一緒にやっていきたいと思います。メンバーに愛してるよと言いたいです」と長年共に過ごした6人への愛を滲ませた。

 リーダーのRMは、BTSにとっての2020年はどんな年として記憶に残るか?という問いに、「どのように記憶されるかというよりどのように記憶したいかですが、僕にとっては、このコロナが早く収束して、これからの先がわからなくても、“そんなこともあった。でもその時僕らは最善を尽くした。ツアーはできなかったから世界のファンのみなさんには会えなかったけど、『Hot 100』1位という成果もあった。頑張ったよね”という風に記憶したいと思います」と答えた。また、直近の活動に関しても「そのためにも色々なことをしていますし、下半期にニューアルバムもリリースされますし、パフォーマンスにも励みたいと思います。僕たちがいるこの位置で、僕たちができることをしたいと思います」とコロナの影響下でも努力をするBTSの姿を伝えてくれた。

 今回の記者会見では、とにかく大きなファンへの愛や感謝、そしてBTSの謙虚さがうかがえた。ここまでの偉業を成し遂げても前を見据える彼らが次に達成する記録はどんなものになるのだろうか。彼らの原動力になっているというARMYが見守る中、これからもBTSは走り続ける。

■フルヤトモコ
1999年生まれの大学生。韓国のカルチャーと洋楽、本、映画など。
東京藝術大学 音楽環境創造科在籍。

関連記事