JO1 豆原一成と川尻蓮、“センター”としての異なる魅力 それぞれがステージで放つ存在感を考える
JO1の活動でセンターを務めるのは豆原一成だけではない。『PRODUCE 101 JAPAN』内では常に豆原と1位を争っていた川尻蓮も、2ndシングル『STARGAZER』のリード曲「OH-EH-OH」でセンターに抜擢された。
小学校からダンスを始めたという川尻は、今までに多くの有名アーティストのバックダンサーも務めてきた実力派。彼のビジュアルの魅力やパフォーマンスの実力は、番組放送前に公開されたテーマソング「ツカメ〜It’s coming〜」でも爆発していた。番組が始まると初回クラス分けテストでも当然のごとくAクラス入りをした優等生ぶりだ。最終投票まで上位をキープし続け、2位という結果になった。
川尻の持ち味はその実力ゆえにダンスという印象が強いが、表情の変化もそうと言えるだろう。「ツカメ〜It’s coming〜」で見せた明るく”アイドル”感の強い表情と、「OH-EH-OH」の中で見られる表情はまるで別。彼はクールな目つきから愛嬌のある笑顔まで様々な表情を持っている。曲の雰囲気やダンスの振り付けなどに合わせて変わる彼の表情は、確実にパフォーマンスの一つとして注目すべきところだ。
本人も「バックダンサーでは終わりたくない」という理由で『PRODUCE 101 JAPAN』への参加を決意したようだが、確かにバックダンサーとしては目立ち過ぎてしまうのではないかと思うほど人を惹きつける力がある。彼のパフォーマンスは細部まで完璧で、どの部分に注目しても期待が外れることはない。
ボーカルの観点でも、ボイストレーニングを受け始めたのはオーディション前で歴は浅いようだが、それが信じられないような伸びやかな歌声も聴かせてくれる。
そんな実力を持ちながらも、気取ったり傲慢な態度をとったりすることがないのも彼の良さの一つ。オーディション番組の中でもセンター特有の特別感をいい意味で感じさせず、”センター”として存在するのではなく”川尻蓮”として真ん中に立つことが可能なのは彼だからだろう。
自分の練習時間よりも仲間として他の練習生にダンスを教えたり、だれかを尊敬して褒めたりする彼の謙虚で何事にも真摯な姿勢など、パフォーマンス以外の点も、豆原と同様全て舞台に立つ姿に表れている。
JO1のメンバーは、6000人から選ばれているというだけあり全員がセンターを務めることができるレベルの実力を持っている。今後のパフォーマンスで新たなメンバーがセンターとして活躍する姿が観られるかもしれない。
彼らはこれからもそれぞれの持つ魅力を輝かせながら、自信に溢れた姿で多くのファンの活力になっていくだろう。
■フルヤトモコ
1999年生まれの大学生。韓国のカルチャーと洋楽、本、映画など。
東京藝術大学 音楽環境創造科在籍。