相葉雅紀、櫻井翔、中居正広 ……司会者としての魅力とは 『FNS歌謡祭』など音楽特番から考える
相葉雅紀
8月26日放送の『2020 FNS歌謡祭 夏』(フジテレビ系)で司会を務める嵐の相葉雅紀。昨年12月放送の『2019 FNS歌謡祭』で初の司会を担当したのに続き、今回で2回目の起用となる。
前述したように、相葉は過去にもグループで『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)の司会を5年連続で務めたほか、2016年放送の『第67回NHK紅白歌合戦』で、初の白組単独司会を務めた経験を持つ。
単独司会を終え、のちに放送された『VS嵐』(フジテレビ系)では、『紅白』司会を改めて点数にすると「30点」と低い評価を下した相葉。しかし、『紅組』司会の有村架純は当時のブログで、武田真一アナウンサーと相葉雅紀に、急な変更も念入りに確認をした上でアドバイスをくれ、支えてもらったと感謝の言葉を綴ったと報じられた。
相葉の司会は、なんといってもフレンドリーな雰囲気が魅力。笑顔で出迎え、優しい人柄を感じる言葉に、リラックスした雰囲気が出ているのは相葉ならではの司会だろう。観客を入れてライブ感を演出した番組とは違い、通常の『FNS歌謡祭』はステージの前に複数の円卓が用意され、ゲストや出演者たちが観覧するスタイルの生放送。『紅白歌合戦』に似た緊張感があるのではないだろうか。後日自身のラジオ番組で、嵐のメンバーが円卓から盛り上げてくれたこと、緊張したときにメンバーをみると気持ちが落ち着いたと本音を吐露。相葉を支えるようにメンバーが見守る、グループ愛に包まれているのもハッピーな雰囲気につながっているのではないか。
アイドルが司会を務めることについて、意外な抜擢に思う人もいるかもしれないが、彼らは歌い手であり、パフォーマンスを披露する側の気持ちを熟知している。だからこそ、ステージへと送り出されるアーティストの心境が汲めるのだ。
歌の持つ世界観に合わせた雰囲気づくり、盛り上げ方、声の掛け方、トークを振ったり応えたり。特に生放送ともなると、限られた時間との戦いで、俊敏な対応が求められる。アーティストが立つステージは、数え切れないほどのスタッフの仕事が支えている。その仕事への理解、現場経験をジャニーズJr.時代から経験してきた。初の抜擢でもやってのけるのは、一朝一夕にはいかない場数を踏んできた経験が生きているのだろう。
今年は『Premium Music2020』(日本テレビ系)で、Sexy Zoneの中島健人とKing & Prince平野紫耀が初の司会を務めたように、先輩たちが築いてきた道を若手も歩みはじめている。
■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。