かりゆし58「お互いに存在を肯定し合える一歩に」 1000CLUBでの初の配信ライブレポート
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ライブ中盤のハイライトは、「ウージの唄」。翌日(8月6日)の原爆の日のことに触れた後、「苦境の乗り越え方は、先人たちが示してくれてます。沖縄も誇りを持って、愛を持って、乗り越えてきました」という言葉に導かれたこの曲は、沖縄の歴史と現状に向き合い、それでも“憎むより愛せ”とのメッセージを送る楽曲。沖縄に戻り、沖縄に足を付けながら活動を継続しているかりゆし58にしか体現できない名曲だ。
さらに前川はこの日の会場となったライブハウス・1000CLUBを紹介。「ライブハウスがちょっとつま弾きにされてる真っただ中、こんなバカでかいライブハウスを開けようとした人がいます。こういう人がいるから遊び心を失わないでいられる。そんな大馬鹿野郎に、心からのアイラブユーを送ります」と、LD&K代表の大谷秀政氏への思いを語った。
また、5年近くバンドを離れ、今年に入って復帰を果たした中村にも言及。「僕たちは何もビビッてません。負けなかった人間たちがどんな音を鳴らすか、聴いてください」という言葉に導かれた「アンマー」、そこに込められた母への思いと叙情豊かな演奏は、この日もっとも大きな感動を生み出した。
最新アルバムのタイトル曲にして、バンドへの深い愛着を示した「バンドワゴン」、日々を一生懸命生きること、残された命を全うすることの大切さを歌い上げた「オワリはじまり」でライブは終了。最後は全員揃ってカンパイし、初の配信ライブは幕を閉じた。
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メロディックパンク、スカ、レゲエ、沖縄民謡などを混ぜ合わせた音楽性、必死に日々を送る市井の人々に寄り添う歌詞、生身の音をぶつけ合うバンドサウンド、メンバー同士の力の抜けたトークを含め、豊かな魅力をとことん見せつけたかりゆし58。紆余曲折を経て彼らは、さらに前に進もうとしている。そのことを目の当たりにできたライブだったと思う。