Twenty★Twenty、ジャニーズ事務所所属75名のチャリティ活動への真摯な想い 「smile」レコーディング映像から感じたこと

Sexy Zone、King & Prince、Snow Man…プロ意識も垣間見える映像

 Sexy Zoneは、誠実に、かつ情感をこめて歌い上げていた。みずみずしい歌声は、彼らの持ち味。中島健人は、メイキングカメラにも気を配り、画面の向こうのファンへ想いを届けていた。年齢だけで見ればまだまだ若手と呼べる彼らだが、その佇まいも表現も、もはや堂々たるものだ。

 舞台経験豊富なA.B.C-Zは、レコーディングであることを忘れてしまいそうなほど、ステージ本番さながらに歌い上げ、ダイナミックに楽曲を表現する。それでいて、細やかな指示にも柔軟に、的確に応え、すみやかに調整していく。思い描く通りの歌声を発してみせるプロの仕事を、サラっとやってのけていた。

 “櫻井和寿の楽曲を歌える喜び”を何度も口にしたジャニーズWEST。櫻井からの手紙に目を通す、重岡大毅の表情は実に印象的だった。レコーディングは彼ららしく、和気あいあいと進行するが、歌い始めるとそのギャップに驚く。表情の優しさ、丁寧な歌声、繊細な声のコントロール。七人七様の声質が、それぞれ魅力的に活きていた。

 King & Princeは、久しぶりのレコーディングに少し緊張していた様子。どこか自信なさげなそぶりを見せる場面も。それでも、いざ歌い始めればさすがの歌唱力だ。早くも色気を兼ね備えている。そんななか、グループ最年少・髙橋海人の、少年らしさの残る声は実に魅力的。テクニックや理屈ではなく、まっすぐ胸に刺さる不思議な声だ。

 SixTONESからは、ジェシーと京本大我がソロでフェイクを任されている。伸びやかな声を自在にコントロールするテクニックと、表現力に圧倒された。メンバー個々の声を改めて聴いてみる。歌唱力は言うまでもないが、京本以外はみな、低音域に深みのある男性的な声をしている。他のグループと彼らの毛色がやや異なるように感じるのは、その声色もひとつの要素といえるだろう。

 Snow Manは、普段のにぎやかな雰囲気とは一変。レコーディングブースで、真剣に歌と向き合っていた。スタッフとコミュニケーションをとりながら、細かな点に至るまでチェックを重ねる。櫻井の言葉を心に留め、歌に想いを込める者、何度も声を出して練習を繰り返す者……それぞれがベストテイクを目指す。やはり彼らは、表現において常に「仕事人」だ。

75名の声が重なり、胸に迫るもの

 櫻井和寿が書き上げ、ジャニーズに託した楽曲「smile」。総勢75名の声が重なるその瞬間、迫力とはまた別の「なにか」が胸に迫ってくるように感じた。その正体が、レコーディングドキュメンタリーに隠されていたように思う。楽曲と向き合う彼らの表情は、チャリティ活動への誠実な想いと、歌える喜びにあふれていた。

 気付けばまた、少し曇り始めた日々。雲間から差すあたたかな光のような「smile」が、行く先を明るく照らしてくれるようにと願う。

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。
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