乃木坂46が聖地 神宮球場で願った“明るい未来” 画面の向こうへエール届けた『シブヤノオト』SPを観て

 歌い出しはスタンド席にメンバーが立つという無観客だからこそできる演出に。「世界中の隣人よ」は、『乃木坂46時間TV』(ABEMA)にてすでに披露されているが、白石が参加するのは『音楽の日2020』に続いてこれが2回目だ。2番Bメロからは4期生も参加。神がかっていたのが「何度目の青空か?」で止んでいた雨が「世界中の隣人よ」で本降りに変わるという自然がもたらした演出だ。後のMCで久保史緒里が触れていたように、乃木坂46の神宮にとって雨は毎年の付きもの。まるで神宮が「おかえりなさい」と恵みの雨で彼女たちを歓迎しているかのようである。

 また、この日は合唱曲「BELIEVE」が出演者陣で生披露された。伴奏を担当するのは生田。体調不良で姿を見せることのなかった『音楽の日』から、初めてのテレビ出演でもあった。自身のInstagramに「今はまだ、受け止めきれません。そんな強く前になんて進めないけど 渡してもらったものを一生懸命、繋いでいかなきゃ。言葉にできない 抱いているものは全て、自分の人生かけて魂に込めます。」と鍵盤の写真とともに思いを綴っていた生田。時折、涙を浮かべる場面もあったが、少しずつ前を向いているその姿は観るものにエールを送ってくれた。

 『シブヤノオト』を機に、パフォーマンスは「Route 246」へと移り変わっている。正式にメンバーが言及しているわけではないが「Route 246」とは、神宮のすぐ近くを通る青山通り、国道246号を示す。「世界中の隣人よ」「Route 246」に共通しているのは、神宮へと続く希望の未来に向けた思いだ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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