嵐 大野智がアートを通じて見せる、唯一無二の才能とアーティストとしての昇華 作品展『FREESTYLE 2020』への期待
「また大野くんの作品が見られる! 」。嵐のリーダー大野智の作品展『FREESTYLE 2020』の開催が決定したニュースに、SNSはファンの喜びの声で溢れた。嵐としての活動と同時に美術制作を行っていた大野。嵐の活動休止が発表されている中での開催決定は、大野のファンはもちろん、嵐のファンにとっても嬉しいニュースとなった。今回はこれまでの大野のアート活動を振り返りながら、『FREESTYLE 2020』への期待を綴りたい。
著名なアーティストも絶賛する稀有な存在
これまでも2008年の『FREESTYLE』展をはじめとして、2015年には『FREESTYLE in Shanghai 2015 楽在其中』を中国・上海で、東京・大阪(大阪は2016年)では『FREESTYLE II』を開催。また『ARASHI BLAST in Miyagi』(2015年)では大野が2011年に描いた作品「ちょんまげの子ども」と宮城・岩手・福島の子どもたちが描いた「未来」をテーマにした絵をコラボする「大野智と子どもたちの未来絵画展 in Miyagi」を開催し、話題を呼んだ。また『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)のチャリTシャツのデザインも、草間彌生や奈良美智といった有名アーティストとのコラボやオリジナルなども度々手掛けている。
ジャニーズJr.時代には、イラストレーターを志そうとしたこともある大野。アメリカの画家ノーマン・ロックウェルや、世界的な人気を誇る江戸時代の絵師・伊藤若冲に大きな影響を受けた。また、アーティストの奈良とも交流を持ちながら、独学で作品を創り続けてもいる。大野の作品に触れた奈良や草間も、彼のアーティストとしての才能を絶賛している。
大野個人の成長と共に変化する作風や技法にも注目
5年ぶり3度目となる今回の個展『FREESTYLE 2020』は、9月9日~11月8日、東京は六本木ヒルズ展望台 東京シティビューにて開催。大野は11月26日の誕生日で40歳を迎えるが、その直前に集大成ともいえる作品の数々が一堂に発表されることとなる。
今回の展覧会では、絵画約40点、フィギュアなど立体作品130点の旧作に加え、新たに制作された高さ1.62m、幅2.27mに及ぶ大型細密画や、米津玄師が手掛けた嵐の楽曲「カイト」のシングルジャケットも含む新作20点に加え、現在制作中の作品も展望台の大空間で公開される。
大野の作風は当初、アメリカのポップアートや、ヒップホップ文化からの影響を色濃く感じられる作品が多く見られた印象だが、伊藤若冲の作品に代表されるような繊細で緻密な技法を取り入れた作品も次第に増えていった。自身の心境の変化や成長に向き合いながら生み出される大野の作品は、どれも非常に個性的で見る人を惹きつける。力強い大胆さと、透明感のある繊細さ、どちらも併せ持つ作風からは、幅広い表現力を持つ大野のダンスや演技に通ずるものを感じることができる。一時は絵を描くことができなかった時期もあるという大野だが、再び筆を手にしてくれたことは嬉しい限りである。個人的には『FREESTYLE II』の大阪で公開された、色鮮やかな本人の自画像が非常に印象的で、心打たれた記憶がよみがえる。