Sik-K、ZICO、CHUNG HA……韓国HIPHOP/R&Bでも盛んなコラボレーション 注目5曲の制作背景を解説
Jvcki Wai, Coogie, Paloalto, The Quiett, 뱃사공 (Bassagong) 「Fadeaway」
マイケル・ジョーダンとエアジョーダン(スニーカー)の人気は、今年Netflixで公開されたドキュメンタリー『マイケル・ジョーダン: ラストダンス』の話題性からも分かるようにタイムレスさを誇る。韓国ヒップホップシーンを語る際に欠かせない5人のアーティストたちのコラボが実現したのもまた、それぞれのマイケル・ジョーダンに対するリスペクトがあったからだと言えるだろう。ナイキのジョーダンブランドとのコラボで作られた本トラックのタイトルは、マイケル・ジョーダンの必殺技である「Turnaround Fadeaway Jumper」から名付けられている。一人一人のバースも聴きごたえがあり、〈Michael Jのように飛ぶ〉 という歌詞のJvcki Waiのサビは中毒性が高い。MVの中でマイケル・ジョーダンのシンボルやジョーダンスニーカーを見つけることも楽しみ方の一つだろう。
ODEE - 「바톤터치」(feat. Don Mills)
韓国の男性には徴兵制度というものがある。その時間がアーティストのキャリアにどれほど影響するかは言うまでもないが、例外はほとんどない。つい先月VMCのラッパー・Don Millsは徴兵制度を終え除隊して社会に戻ってきた。先輩のラッパー・Beenzinoが同じく除隊した際にE SENSを迎えてリリースしたシングル「OK GO」をリミックスした「OK GO 2」を発表し、これからの活躍を堂々と約束した。しかしその直後に、まるでバトンタッチするかのようにVSC所属の後輩ラッパー・ODEEの入隊日が訪れた。2人は「Baton Touch」という楽曲で、お互いの立場から考えることを素直に伝え合う。ODEEは、兵役を終える2年後に、さらに格好いい存在になった姿を見せるという抱負を語り、Don Millsは軍隊で生活する上でのヒントを惜しまずにアドバイスする。同曲は、まさに韓国だからこそ誕生した特別なコラボトラックと言えるだろう。
■limasul
日韓の大衆音楽事情を専門とするライター。歌詞・記事の翻訳や音源の流通、キュレーションなどの職業を経て、今は日韓の音楽シーンの架け橋となるべく活動中。
Instagram