「Promimi」グランプリ獲得のMassimo氏&みゆが語る、キュレーターオーディションの可能性

分け隔てなく登録される懐の深いサービスだからこそ踏み出せる

――数ある楽曲とアーティストのなかから、Massimoさんはどのようにしてみゆさんを見つけたのか教えてください。

Massimo:自分なりにいくつかフィルターを設定して探していたんですけど、それでも相当数あったので、次に聴く順番を考えたのですが、自分が住んでいるところに近い方ほうが共感しやすいんじゃないかと思って。それで東京、神奈川、千葉、埼玉といった順序で、東京を中心に外に広げていく形で聴いていきました。みゆさんは東京でエントリーされていたので、わりと早い段階で見つけることができたのですが、見つけたときはハッとするものがありましたね。推薦するテーマが「声に個性のある人」ということだったから、「この子しかいない!」と思って、みゆさんを推したという感じです。

――Massimoさんがみゆさんを推薦した理由は?

Massimo:女性で低音を美しく歌える人は少ないのですが、みゆさんは歌い出しから低いトーンで歌っていて、しかも低音をとても大事に歌っているという印象でした。かといって高音が弱いわけではなく、加えて表現力もとても豊かだなと思いました。最終的には声質の部分で判断したのですが、空気感をまとっているというか、もちろんリズム感も申し分なくて、cueで延べ1400曲以上聴いたなかでも、今でもダントツの1位です。

みゆ:ありがとうございます。私は高音よりも低音域が得意なので、低音をより魅力的に響かせるということは、いつも意識しています。あと息を吸って歌い始めてからの3秒で、どれだけ聴いてくれる人を引きつけられるかということも考えています。これはnanaを長く使っているからこそなんですけど、nanaには本当にたくさんの歌がアップされているので、歌い出しで心を掴めなければすぐ他のユーザーさんの歌を聴きにいってしまうんですね。だから最初の何秒とか、それこそブレスの音だけでどれだけユーザーを引きつけられるか、それを常に考えながら歌っています。

――そもそもみゆさんがnanaに投稿するようになったきっかけは、何だったのでしょうか?

みゆ:もともと歌が好きだったんですけど、以前は田舎に住んでいたのでカラオケBOXも近くにないから、いつも家で歌っていたんです。それであるとき動画を見ていたら、YouTuberの方がnanaを紹介していて、単純に面白そうだなと思ってダウンロードしました。それから自分でも投稿するようになり、少しずつユーザーさんから拍手がもらえるようになっていって。自分が家で一人で歌っているものに対して、知らない誰かが反応してくれるのがすごくうれしくて、もっと拍手がもらいたいと思って投稿を続けた結果、かれこれ4〜5年やっています。

――もともと歌手になりたいとか、シンガーとしてデビューしたいといった気持ちはあったのですか?

みゆ:音楽はずっとやりたいとは思っていたんですけど、とにかく自分に自信がなくて。ずっと「どうせやってもダメだろう」という考えで、今まで生きてきて。それが今回、Massimoさんに見つけていただいたことで、自分に自信が持てるようになって。以前のような、「どうせ私なんか」という気持ちはなくなりました。

――歌が好きになったのは、家族の影響ですか?

みゆ:小学校のときの音楽の授業で、合唱をしたときとかに褒めてもらえることが多くて。初めて家族でカラオケに行ったときも、親がすごく褒めてくれたんです。そういうことが重なって歌や音楽が好きになって、自分でもいろいろ聴くようになりました。テレビのモノマネ番組を見て、いろんな声の出し方を研究するようになって。たとえば絢香さんや、HYさんなど。そういう経験も、今に繋がっているのかなと思いますね。だから、他にたいした取り柄もなかった私にとって、唯一みんなが褒めてくれたのが歌だった。とにかく褒めてくれるのがうれしくて、今も歌っているという感覚です。

Massimo:周りがそれだけ褒めてくれたということは、きっと子どものころから光るものを持っていたんでしょうね。それが道しるべとなって今にいたっていることを考えると、幼少期の経験は大事だなと改めて思います。cueやnanaにはみゆさんのように、才能はあるけど自信の無い方や、その逆の方もいて。上手い方も下手な方も分け隔てなく登録される懐の深いサービスだったからこそ、みゆさんは踏み出せたんじゃないかと思います。

みゆ:それはあったと思います。

――今好きな音楽やアーティストはいますか?

みゆ:私はけっこう何でも聴くので、バラードも好きだしロックもR&Bも好きで。だからnanaでも、いろんなアーティストの曲を歌うようにしていて。でも今好きなのはR&B系で、SIRUPさんとかiriさんを聴いています。

Massimo:僕もSIRUPさんやiriさんは好きですね。基本的に歌ものが好きなので、あと才能の塊だと思うのは、millennium paradeさん。音楽だけじゃなく動画などビジュアルも含めて、アート作品としてすごいと思います。

私みたいな子をどんどん見つけてほしい

――みゆさんはnanaにオリジナルの曲をあげていましたが、弾き語りスタイルでも活動されているのですか?

みゆ:本当は歌に集中したいんですけど、機械にうとくて。だから下手ながらもギターでコードを弾きながらメロディを考えて、演奏も自分なりに頑張って弾いています。

Massimo:みゆさんのコメントを何かで読んだんですけど、ふとんに潜って録っていると書いてあったんですが、本当ですか?

みゆ:本当です(笑)。寝る前に録ることが多くて。ヘッドフォンをして、iPhoneの内蔵マイクに向かっていつも歌っていて。

Massimo:それであそこまでのクオリティが出せるんだなと思って、驚きました。「携帯一本でやってます」くらいの荒削りさがあったほうが、良いのかもしれないですね。

――おふたりは今回のオーディションの経験を、今後どう活かしたいですか?

Massimo:たまたま出会う良い音楽に、これからも出会っていきたいです。今回出会ったみゆさんのような、才能はあるけどまだ見つけてもらえてないような人を探し当てて、そういう人とレコード会社さんを結びつけるようなことが、今後もできたら良いなと思います。

みゆ:私は、せっかくいただいたチャンスなので、自信がないなんていうことはもう言わず、どんどん積極的に、今までの自分を捨てるくらい積極的に頑張っていきたい。やっぱり音楽が好きなので。私みたいな子を、どんどん見つけてもらえたらうれしいです。

――みゆさんは今回の推薦をきっかけに、一歩踏み出すことになりますが、どんなお気持ちですか?

みゆ:先日初めてボイストレーニングに行ったのですが、以前はひとりで独自にやっていたものを、プロの方からいろいろ教えていただいて、大変でしたけどそれ以上にすごく楽しかったです。きっとまだ自分でも知らない、新しい自分の声に気づくことができるのかもしれないと思うと、すごくうれしくてワクワクして。もっと頑張ろうという気持ちになりました。

Massimo:みゆさんの新しい声を、いつか聴いてみたいと思いました。ハッとさせるような声も習得して、ドキッとさせる歌声を聴いてみたいです。

■『Promimi〜Next〜』
Promimiの続編企画としてアーティストに向けたオーディション『Promimi〜Next〜』の開催が決定。
グランプリは日本コロムビア 新人開発プロジェクト『Project Super 3』の練習生としてレッスンを受ける予定。
一次審査ではColumbia認定スカウトエージェント(前回のPromimi GP)であるMassimo氏も審査員として参加。
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