乃木坂46が企業CMを席巻 大手から地方まで求められるクリーンなブランド力
ここまで触れてきたのは、主にグループとしてのCM出演だが、ほかにもメンバー個人での契約パターンもある。現在、大量オンエアされているのが、齋藤がリモート画面で出演している株式会社 bitFlyerのCM。新型コロナウイルスの影響で各番組のスポンサーが激減した時期には、遠藤が犬との大切な時間を伝えるACジャパンのCMが多く流れていた。先日発表されたのは遠藤と同じ、4期生の掛橋沙耶香が制服を脱ぎ捨てボクサーになるというSUENAGAグループのCM。岡山県を中心に事業を展開する会社で、岡山県出身の掛橋にスポットが当たり、今回見事に単独CM初出演を果たした。
都内で暮らしているとあまり見えてこないが、乃木坂46は七十七銀行や武蔵野銀行、百五銀行など、多数の地方銀行のイメージキャラクターも務めている。今年2月、名古屋ドームに向かう市営地下鉄の中でこの広告を見かけたファンも多いのではないだろうか。掛橋のようなローカルCMの例では、沖縄県出身の伊藤理々杏が沖縄の魅力を世界へ広げる「JTA日本トランスオーシャン航空」のCM、宮城県出身の久保史緒里は萩の月で有名な和洋菓子会社「菓匠三全」のCMに出演している。その出身地でメンバーの名を知らしめるのに、ローカルCMは大きな可能性を持ち合わせている。
先述したように、白石の卒業発表に合わせて、齋藤を中心としたメンバーが出演している現在の乃木坂46のCM。与田や遠藤といったメンバーが、今後より多くの層から認知されるためには、CM出演も一つの重要な鍵として数えられるだろう。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter