谷口鮪×津野米咲、君島大空×塩塚モエカ、小西遼中心としたTELE-PLAY……リモートで生まれた新たなコラボ曲

 7月6日からJ-WAVE夏のキャンペーンソングとしても起用されている「あいにいきたい(feat. BASI, Chara, SIRUP, TENDRE and Ryo Konishi)」はCRCK/LCKSのメンバーとしても活動する作編曲家・小西遼の呼びかけで集まったプロジェクト・TELE-PLAYの第1弾楽曲だ。タイトルに掲載されているシンガー/ラッパー以外にも、SuchmosのHSU(Ba)、屋敷豪太(Dr)、ものんくるの吉田沙良(Cho)など総勢16名に及ぶ幅広い世代のミュージシャンによってリモートで共作された。

TELE-PLAY『あいにいきたい(feat. BASI, Chara, SIRUP, TENDRE and Ryo Konishi)』

 SIRUP、TENDRE、Charaが存分に各々の艶を出しながらリレーするように歌唱し、一気に景色が広がるサビを経て、BASIが軽やかなバースをキックした後、大団円のクライマックスへ。3分21秒の楽曲とは思えないスケールで描かれる約束の歌だ。〈Can you walk with me 予定はなくて良い それだけでいい 今は愛しい〉というフレーズが〈I’ll see you again 君のそばへ あと少し 愛はそこに〉と変化していく流れには、この春から夏へと移ろっていく気持ちがそのまま映し出されている。

 先鋭的なプレイヤーたちによるリッチなグルーヴの中で、誰もが口ずさめるメロディが紡がれているのもこの曲の魅力だ。離れていても音を重ね、声を合わせることはできる。音の中で出会い、笑い合うことは出来る。誰かと誰かで何かをなす歓びに溢れたアンセムなのだ。最後のサビで巻き起こる大合唱は本能を昂らせる活力で満ちており、一緒に歌えば自然と開放的な気分になれるはず。この歌を、ステージと観客の垣根なく大きな声で歌える日を願ってやまない。

 外出自粛を余儀なくされたからこそ生まれた楽曲たち、と言ってしまうとコロナ禍を美談にしすぎているようにも聞こえるが、この3曲は間違いなくこの状況で無ければ生まれなかったコラボレーションだ。繋がること、届けることを渇望した日々の記録として覚えておきたい。そしてこれからも末永く愛していきたいと思える、この時代を刻み付けた音楽たちだ。

■月の人
福岡在住の医療関係者。1994年の早生まれ。ポップカルチャーの摂取とその感想の熱弁が生き甲斐。noteを中心にライブレポートや作品レビューを書き連ねている。
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