NEWS、「U R not alone」に凝縮された足跡と未来 配信ライブでのパフォーマンスは決意の表れに

 2020年6月19日、NEWSが3人になりました。

 その前日、退所の公式発表がされる前の状況で、僕は3人のNEWSによる『Johnny's Happy LIVE with You』の配信を観ていました。

 心にひっかかるものがなかったわけではありません。深々と礼をする姿、鬼気迫る歌声、遠くを見つめる目。悲観的な状況とは言え、嫌な予感を言葉にするのは、彼らを信じていないように感じられて、できませんでした。何より、4年に渡ってNEWSとファンが作り上げてきたシリーズの集大成となるライブツアー『NEWS LIVE TOUR 2020 STORY』が完結するまでは、4人のNEWS以外に考えられない。ありえない。そう思っていました。

 しかし実際には、そのありえないことはすでに起きていて、3人はその事実を抱えたままステージに立っていました。思い返すと今でも、胸の奥が得体の知れない何かに無造作に握り潰されるような、そんな気持ちになります。

 4人のNEWSが歌う曲は、不思議と心に明かりを灯すものばかりでした。心躍る気持ちや前を向く意志をNEWSの歌に感じたのは、彼らがこれまでアイドルとして歩んできた紆余曲折と相まって、絶大な説得力を持っていたからです。

 中でも『Johnny's Happy LIVE with You』のラストで歌われた「U R not alone」は、元々アルバム『NEVERLAND』に収録された曲の1つでしたが、ライブで合唱するたびにNEWSとファンを1つにしてきた、4人のNEWSを知るすべての人にとって特別な曲となりました。やがてテレビでも、4人のNEWSにとって旗印のような曲として披露されるようになり、この曲がNEWSをあまり知らない人にも評価される様子を見ては、僕もファンとしてとても誇らしい気持ちになりました。3月21日放送の『緊急生放送!FNS音楽特別番組 春は必ず来る』(フジテレビ系)では、この日ライブツアー『STORY』初日が開催されるはずだった静岡エコパスタジアムの前で「U R not alone」を歌う4人に、NEWSのファンに対する溢れる愛情を感じました。

 8年前、4人のNEWSが新たな産声を上げて以来、楽しさも、嬉しさも、悔しさも、1つ1つ4人で上書きするように活動をしてきました。その足跡と、そして未来が、この「U R not alone」には凝縮されていました。歌詞、メロディ、4人が歌う姿、そしてファンの声、この曲を取り巻く全てが、NEWSは4人とファンで成立していることを、何よりも如実に示していました。

関連記事