佐藤結衣の「K-POPメンバー図鑑」Vol.16

EXOの長男シウミン、愛されリーダー スホ、マルチプレーヤー レイ……多様な個性もつ年長メンバーたち

 未知の世界から来た新たなスター――。

EXO『OBSESSION』

 まさにEXOは、未知のスター像を見せつけてくれている。メンバーに設定された架空超能力に始まり、デビュー曲「MAMA」のMVで見せた圧倒的な世界観の作り込み。韓国人メンバーで構成されたEXO-K、中国人メンバーを含むEXO-Mに分かれて、曲だけでなくMVに韓国版と中国版があるのも新たな試みだった。

 彼らが所属しているのは、東方神起、少女時代、SUPER JUNIOR……と、元祖K-POPアイドルを生み出した大手芸能事務所、SMエンターテインメント。王道を極めたからこそ挑める、新道。それが、EXOを唯一無二のグループとなった所以だろう。

 もちろん、新たな道には思わぬ展開がつきもの。メンバーの脱退に衝撃を受けた時期もあった。しかし、年々EXOは強くなっていく印象だ。下積みの期間も、年齢も、そして国籍もバラバラなメンバーたち。しかし、だからこそ多様な個性がガチッとハマるパフォーマンスの気持ちよさといったらない。

 新曲をリリースするたびに、「そう来たか」「こんなこともできるなんて」「さすがEXO」「スゴイものを見せてくれた」と度肝を抜いてくれる。私たちはいつだって未知なものに惹かれてしまう。CDが売れない時代と言われる中、アルバムが軒並みミリオンセラーになるのも必然なのだ。

 現在9人体制のEXOは順に兵役に行っており、ソロでの活動がメイン。今こそEXOメンバーの魅力を振り返り、来るべき完全体でのカムバックを楽しみに待とうではないか。年齢順に、今回はシウミン、スホ、レイの3名に注目したい。

“キングオブK-POP”をリスペクトする長男・シウミン

 とても最年長とは思えない可愛らしい雰囲気を持つシウミン。小柄でありながらダイナミックなダンスは、彼の持ち味。振りにブレない強い体幹を持ち、安定した動きに加えて、身体で遊ぶ余裕さえ覗かせる。次の振りへと移る前に少しためて緩急をつけてみせたり、撃ち抜く仕草をしてファンへの愛嬌を振りまくなど、シウミンの動きは実に情報量が多いのだ。

 こうしたアイドルマインドの根底には、自身が東方神起ファンであることも大きいのではないだろうか。元気いっぱいな少年のようなキュートさも、大人の男性らしいセクシーな雰囲気も……どんなダンスをファンが待ち望んでいるのか。そのど真ん中をつくパフォーマンスを披露するのだから、見ている側は笑顔にならざるを得ない。

 そんなシウミンは、テレビ番組出演後にいつも検索語ランキングに浮上することから、「リアルタイム検索妖精」というニックネームがついたこともあるほど。今年12月まで兵役中のシウミン。きっと検索語ランキングがざわめく、除隊のタイミングが待ち遠しい。

EXOを守る真面目な愛されキラキラリーダー・スホ

 教育熱心な両親のもとで、優等生として育ったスホは、中学校では生徒会長を務めるなど根っからのリーダー気質の持ち主。努力家で真面目なスホは7年と長い練習生期間を経て、EXOのリーダーとなった。スホ=「守護」という名前の通り、EXOを守る者としてのミッションを担う。だが、個性豊かな大所帯のグループをまとめていくのは、決して簡単なことではない。東方神起・ユンホ、SUPER JUNIOR・イトゥクから直々にアドバイスを受けたこともあるという。

 リードボーカルとして柔らかく温かみのある魅力的な歌声を披露するスホは、俳優としてもその表現力を開花。日本ドラマ『リッチマン、プアウーマン』をリメイクしたラブストーリー『リッチマン』に出演した際、インタビューで演じた役柄と自身の性格を比較して「僕は一言発するたびにたくさん考えるタイプで、相手の立場を考えながら話すので、そういった点は彼とは異なると思います」と回答していた(参考:衛星劇場)。どこまでも模範的で礼儀正しい性格が伺える。ちなみに、兵役中の現在は新兵教育隊で中隊長を務めているそうだ。

 責任感が強く正統派なビジュアルでハイスペック男子。にも関わらず、掃除が苦手という数少ない弱点も長年共に歩むメンバーには見つかってしまい、「掃除するのは5年に1回」「服の間で泳ぐのが好き」など、愛あるイジリを受けてしまうシーンも、また微笑ましい限りだ。

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