嵐、無観客ライブで見せたファンとの心の繋がり オンラインライブ『Johnny's World Happy LIVE with YOU』を前に振り返る

嵐の人気が一気に爆発した2007年リリースの「Happiness」

 ラストを飾ったのは、おなじみの大ヒット曲「Happiness」。

 この楽曲がリリースされた2007年は、グループにとって大きな転換期だった。初めて単独ドーム公演を行った年でもあり、それまで数年間にわたり少しずつ上昇傾向にあった嵐の人気が、一気に爆発した1年。

 パフォーマンスや、楽曲の歌詞に説得力が生まれる瞬間というものが、アイドルにはある。

 5人が笑顔で歌って踊る姿を見れば、理屈ぬきで元気になる。ひとときでも、日々の鬱屈とした感情を忘れることができる。「Happiness」は、嵐がその領域までたどり着いたことを感じさせる楽曲だった。そして、そんな存在を人は「国民的アイドル」と呼ぶのだろう。

 無観客のYouTubeライブであっても、嵐は歌って踊って走って、カメラの向こうのファンに呼びかける。日本中、世界中を巻き込んでゆく。

 5大ドーム、国立競技場という大きな会場でのライブを幾度となく経験してきた彼らは、来られなかったファンにも想いを届けるべく、いつだって「距離」と向かいあってきたのだろう。たとえ目と目が合わなくとも、心と心で想いを伝え合うことができる。時代が、ファンと嵐の距離を阻んでも、きっと大丈夫。心の繋げ方を、彼らはもう知っている。

 そもそもジャニーズアイドルのパフォーマンスが放つパワーは、液晶ディスプレイ1枚の壁に邪魔されるほどヤワじゃない。

 「無観客ライブ」という新しいエンターテインメントの形を、楽しむくらいがジャニーイズムだ。このたびのオンラインライブも、各グループが考え得るすべての手段を使って、楽しませてくれると確信している。

 我々もペンライトを握りしめ、ライブ当日と同じ気持ちで、その瞬間を待ちたい。

米津玄師作詞作曲「カイト」リリースも決定

 配信を今夜に控えたタイミングで、嵐から嬉しいニュースが届いた。7月29日、米津玄師が作詞作曲を手がけたニューシングル「カイト」のリリースが決定。『NHK2020ソング』として、昨年の紅白歌合戦出場時に国立競技場から披露したあの曲だ。

 さらに、昨年11月に行われた天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典で奉祝曲として歌った「Journey to Harmony」も収録。ジャケットには大野が描く絵画が使用されるという。

 ジャニーズから届きはじめた朗報に、エンターテインメントが少しずつ動き始めていることを感じる日々。

 公式Twitter『Johnny’s Smile Up! Project』上にステージ写真がアップされるなど、その全貌に期待が高まる『Johnny's World Happy LIVE with YOU』。

 嵐は、バックダンサー時代にその背中を見て学んだ縁の深い先輩・V6と、新世代を彩る後輩・King & Princeという豪華なメンバーとともに、初日を盛り上げる。

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。
Twitter

関連記事