『GENEX』インタビュー
AAAやlolに続く男女混合グループ GENICインタビュー メンバーに聞く、グループの強みとアルバムへの思い
GENICをご存知だろうか。GENICとは、avexのDNAを継承する15歳から21歳までの男女7人組のダンス&ボーカルグループだ。彼らは、2019年に行なわれた新ダンス&ボーカルグループ育成プロジェクト『a-genic PROJECT』のオーディションを経て2019年11月1日に結成。11月15日には1sデジタルEP『SUNGENIC ep』をリリース、2020年1月には『Da-iCE BEST TOUR 2020 -SPECIAL EDITION-』のオープニングアクトとして出演するなど、正式メンバー決定直後から活発な活動を見せている。そんな彼らが、5月27日にデビューアルバム『GENEX』をリリースした。この情勢の中、あえてリリースされた同作品にはどんな思いが込められているのだろうか。7人の素顔とともに迫った。(高橋梓)
「デジタルネイティブ世代にしかできないやり方がある」
ーー改めて、アルバムのコンセプトを教えてください。
西本茉生(以下、西本):タイトルの『GENEX』は、GENICとExpress(運送便)を合わせた「GENICを全国にお届けします」という意味の造語になっています。過去2回EPを配信して自分たちの可能性を探ってきた結果の曲や、メンバーが作詞作曲を手掛けた曲なども含め、幅広い11曲が収録されたアルバムになっています。
ーー新型コロナウイルスの影響により、アルバムの発売を延期するアーティストも増えていますが、このタイミングでリリースを決意した理由は何なのでしょうか。
小池竜暉(以下、小池):これに関しては、すごく悩んだんです。でも、僕らデジタルネイティブ世代にしかできない情報発信の仕方やネットを使った活動のやり方があると思っていて。例えば、今回のアルバムリリースでもメンバー個人のSNSで情報発信をしてきました。「次世代を担うアーティストの先駆者になる」という思いもあって、リリースすることを決めました。
雨宮翔(以下、雨宮):ツアー(『GENIC LIVE TOUR 2020 -GENEX-』)もやらせてもらう予定でしたが、この状況なので中止になってしまいました。悲しむファンの皆さんも多いと思いますので、作品だけでも届けたいという思いも込めています。
ーーそんな思いが詰まったアルバムだけに、レコーディングする上でも工夫されたことがありそうです。
西澤呈(以下、西澤):僕はファンの皆さんが曲を聴いた時に、頭の中で映像が浮かんだらいいなと思っています。なので、歌う時は、その曲に合った光景を最大限浮かべてレコーディングしました。例えば、2曲目の「FLY」はファンの皆さんとタオルを回したいなって。
増子敦貴(以下、増子):僕も歌詞に沿った情景が浮かぶように気持ちや感情を大事にしています。技術よりも気持ちをしっかり入れて歌いました。
ーー特に注目してほしい曲やパートはありますか。
宇井優良梨(以下、宇井):GENICのメンバー全員で作詞をした、11曲目の「TOGETHER」です。自分たちで詞を書いたこともあって今までにない特別感があります。歌詞にはファンの方への思いも込めたので、ぜひ注目してほしいです。特に〈ありのままの君でいて〉というフレーズがストレートで好きです。
雨宮:僕は「FLY」です。メンバー2人が作詞作曲編曲してくれた曲でもあるし、ライブでも楽しめる曲なので一体感を感じられると思うので推します!
西本:「BURNIN' BURNIN’」は尖っていて、今までのGENICにはなかったような曲かな、と。この曲で初めてラップをしているんですが、歌い方や声の作り方を意識しました。他の曲は軽めに、すっきり聞こえるように歌ってますが、この曲はラップでサウンドも強いのでローをたくさん鳴らすようにしています。前半の呈のラップと差別化を図るためにも、冷静な感じにしてみたり、リズムの取り方を後ろめに取ってみたり、いろいろ考えて歌ったのでぜひ注目してみてほしいです。
「“そのままでいることが一番だよ”って伝えたかった」
ーー宇井さんのお話にもあったように、「TOGETHER」はメンバー全員で作詞をしてますね。
金谷鞠杏(以下、金谷):竜暉と呈くん以外のメンバーはこれが初めての作詞だったんです。私は自分がファンだったらなんて言われたら嬉しいかを考えて、〈貴方は愛されている〉という歌詞を書きました。「どうせ私なんか……」って自分を否定しちゃうこともあると思うんですけど、でもきっとあなたは誰かにとって大切な人ですよっていうのを伝えたくて。私たちもファンの方に愛をあげて、ファンの方に私たちも愛をもらってますって言いたかったんです。
ーー皆さんで集まって書いたんですか?
金谷:デモ音源と“TOGETHER”というテーマがあって、伝えたいことを何でもいいので書いてみようと個々で書いて、竜暉が最終的にまとめてくれました。パズルみたいにいい感じに皆の書いたフレーズがハマってるんで、私はお気に入りの曲です。
小池:いい意味でまとめるのに悩みました。どこを選んでもいいものになるからこそ、難しかったです。
西本:僕も初めての作詞だったので難しかったです。でも、さっき優良梨が言ってた〈ありのままの君でいて〉ってところを書いたのは僕で。優良梨がそこを好きって言ってくれて嬉しかった(笑)。
増子:可愛い(笑)。
西本:嫌な思いをして自己否定してしまったり、変わりたいって思うこともあると思うんですよ。だけど、自分は自分だからそのままでいることが一番だよって伝えたかったんです。いろいろ書いた中でも一番思い入れのあるフレーズなので、そこを選んでくれた竜暉にも感謝です。