AAAやlolに続く男女混合グループ GENICインタビュー　メンバーに聞く、グループの強みとアルバムへの思い

文・取材＝高橋梓

（Da-iCE工藤大輝は）「尊敬を超えて崇拝レベルで好き」

GENIC / 月夜に馳せる -Acoustic Version- feat. #ティールブルーの羽色

ーー「TOGETHER」は全員で作詞をしていますが、西澤さんと小池さんが制作した楽曲も多いですよね。楽曲制作をする時は、どんなことを意識していますか。

小池：GENICの曲は、皆の歌声が入ることを想定して作っています。例えば「UPDATE」は昔を振り返りつつ、未来へ自分をアップデートしていこうという前向きな気持ちを込めていて、「FLY」はGENICにない楽曲のテイストを取り入れたりしていて。歌詞は「皆で頑張っていこう」というものが多かったので、それを残しつつも夢で描いた自分を追いかけるというちょっと空想っぽいテイストも入れました。

西澤：僕はメンバーの声を意識しています。メンバーの声が一番オシャレな音だと思うんですよ。だから、それ以上オシャレな音は入れない。メンバーの声や魂が一番映える曲を作ろうと考えています。

ーー例えば、どんな風に考えるんですか？

西澤：敦貴くんは「あぁ！」とか「ばぁ！」とかがうまいんで（笑）。

増子：褒めてる！？（笑）

西澤：褒めてる！　敦貴くんの声は男性っぽい声質と女性っぽい声質のちょうど真ん中なんですよ。だからこそ、「エーイ！」とか掛け声が曲の中で映えるんです。あとは、僕と竜暉くんが作る曲はBメロに女性の声がくることが多くて。僕の中で女性の声って曲のスパイスなんです。聴いている人をハッとさせたいってのがあって、女性の声が入る前は一回ブレイクを入れています。

金谷：へえ、そうなんだ。

西澤：そう。女性の声が来るって予想させないようにしてるんだよね。

ーー「月夜に馳せる」は小池さんの作詞で、女性メンバーから歌が始まっています。詞を作ったときも西澤さんのように仕掛けをしたのでしょうか。

小池：歌詞を見てもらうと分かるんですけど、「あなた」という言葉が女性が歌っている時、男性が歌っている時、ユニゾンしている時で表記が違うんですよ。女性が歌う時は男性を想って歌う「あなた」、男性が歌う時は女性を想って歌う「あなた」と使い分けました。

ーー本当ですね！　こだわりが垣間見えます。2人が作った楽曲のほか、「SUN COMES UP」はDa-iCEの工藤大輝さんからの提供曲でした。

西澤：この曲のミックスチェックの時に、大輝さんと一緒にスタジオに入りました。すごく難しい曲なので、「難しいです」と伝えたら一言「頑張れ」っていただきました。大輝さんは尊敬を超えて崇拝レベルで好きなんですけど（笑）、自分のグループはもちろん後輩のグループにも曲を提供して道を照らしてくれるのはすごく偉大です。僕も将来後輩ができたときに、大輝さんのような先輩になりたいなって思いました。

小池：「SUN COMES UP」は2013年くらいに作った曲とうかがいました。歌詞も曲もほぼその時のままのようで、だからこそ今の僕たちに合う部分があるんだと思います。大輝さんはアーティストとしても作家としても素晴らしいと感じる部分が多かったです。

「GENICになってから大きな夢を追いかける仲間になった」

GENIC / SUN COMES UP (Music Video)

ーー本当に様々なテイストの曲が詰まっているんですね。このアルバムのようにグループとしても様々な魅力や強みがあると思います。GENICはa-genicというサバイバルユニットから生まれたグループですよね。だからこその強みもあるのでは？

増子：a-genic時代はライブによってメンバー構成を変えてライブをやっていました。そこを勝ち抜いた7人が集まっていることに僕は運命的なものを感じていて。だからこそ身についた絆や自信が、チームとしてのまとまりになっていると思います。

雨宮：男子はa-genic以前から仲が良かったので、打ち解けた状態でのオーディションでした。ライバルである期間がありましたが、グループとしての在り方は話し合いやすかったと思います。でも、GENICになってから仲間意識がより強くなりました。同じ夢を目指す仲間意識というものが作品に反映できていますし、僕らの強みだと思います。

ーーa-genic時代から変わったことも多そうですね。

宇井：メンバーと一緒にいる時にすごくリラックスできるようになりました。最近は自分の意見を言えるようにもなってきました。

西澤：そうだね。GENICになってから大きな夢を追いかける仲間になったので。メンバーで集まって何かをやることも多いです。

金谷：内輪ネタだと、お誕生日会とかね（笑）。メンバーの誕生日にはホールケーキを皆で食べるんですよ。

西澤：幸せな時間です（笑）。

雨宮：絶対何かしらのサプライズをやってます。

西本：2月の呈の誕生日は、サプライズをしないサプライズをしました！　呈は鋭い子なので、サプライズを仕掛けようとしても勘づいちゃうんですよ。なので、何もしないってのもアリなんじゃないってメンバーと話してて。

西澤：でも結果的にサプライズを仕掛けられて（笑）。エレベーターでリハーサル室に向かったらちっちゃいケーキが一つだけ置いてあって、「ご自由にどうぞ」って書いてあったんです。それって皆が僕のために用意してくれてたのを見ちゃったと思って焦っちゃって、エレベーターで1階まで逃げるように降りたんです。でも、おかしいなと思ってもう一回リハーサルスタジオに戻ってドアを開けてみたら真っ暗。「なんだ、誰も来てないじゃん。また俺が一番乗りか」って思ってたら竜暉くんのピアノが聴こえてきて。皆でハッピーバースデーを合唱してくれたんですけど、そのピアノがめちゃくちゃ下手でした（笑）。

一同：（爆笑）

西澤：嘘です（笑）。竜暉くん、急に弾けって言われたらしいんですけど、急に弾いたクオリティじゃないほど上手かったです。真っ暗の中で皆が歌ってくれて、電気を点けたら皆の笑顔とケーキがあって。このグループ最高、生きてて良かったって思いました（笑）。

「GENICの強みは“個が引き立っているところ”」

ーーめちゃくちゃ仲良いですね！　その仲の良さもですが、AAAやlolという男女混合ダンス＆ボーカルグループの先輩たちと比べた時に、GENICならではの良さもたくさんありそうですね。

小池：そうですね、1年目からセルフプロデュースをしているのも僕らの特徴かなと思います。鞠杏が衣装プロデュースをやったり、創造性の高いメンバーでツアーを演出したり、自分たちでセルフプロデュースを積極的にしていけたらいいんじゃないかな、と。その上でダンス＆ボーカルグループという部分を貫いていけたらと思います。すでに個人で活動しているメンバーもいるので、個が引き立っているかな。そういうところも強みにしていけたらと思います。

増子：アベンジャーズみたいに、個性が強い一人ひとりが集まってグループになるというのがGENICの強さになっていけばいいですよね。

ーーこれからが楽しみですね。やってみたいこと、チャレンジしてみたいことなどありますか。

西澤：僕はライブ会場で「FLY」を爆音で流して、タオル回しながらジャンプしたいです。

西本：同じこと言おうと思ってた！

宇井：私は根本的な部分ですが、ファンの方の顔がみたいです。ライブが出来ないっていうもどかしい気持ちをぶつけたい！

西澤：あと、僕は曲作るのが好きなので、GENIC以外の人にも曲提供したいですね。そのためにも僕の世界観とか技術も高めていきたいです。

増子：僕は福島出身なんですが、地元に貢献できるようなお仕事をしたいです。何でもやります！

金谷：メンバーみんなでやりたいこともたくさんあるけど、私個人にチャンスを貰ったお仕事は挑戦したいです。例えば、皆の衣装をプロデュースしたいってのもそうなんですけど、個人で日常で役に立つものとか女性が喜ぶものとかをいつか作ってみたいです。

雨宮：僕はいつかソロやグループの演出もやってみたいです。エンターテインメントという枠で色んなことができたらいいな、と。自分の想像を色んな方に見てもらいたいです。

宇井：私はバラエティや音楽番組にもたくさん出演してみたいです。

西本：僕はしゃべることと曲を紹介することが好きなので、ラジオをやってみたいな。みんなに好きな曲を共有したいですね。実現したら毎週メンバーを1人呼ぶようにします！

小池：僕は幅広く音楽を聴くことが好きなので、GENICのみならず個人の作りたい曲を作ってソロ活動をしてみたいって思います。かわいいアイドル曲を書いてみたり、ゴリゴリのJ-POPを作ってみたり、いろんな楽曲に挑戦してみたいな。

ーーでは、最後に今回のアルバムを楽しみにしていたファンの方へメッセージをお願いします。

西本：『GENEX』は僕たちの名刺がわりになるようなアルバムです。自慢の1作目になっているので、たくさんの方に聴いてもらいたいと思います。このアルバムを引っさげて行なう予定だったツアーが中止になってしまったこともあって直接届けることはできないんですけど、今回初めて商品として皆さんの手元にお届けできるようになりました。直接届けられないからこそ、作品を通してGENICをたくさんの方に知っていただければと思います。よろしくお願いします！