米津玄師、日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』特別編オンエアで「馬と鹿」に改めて脚光 楽曲がもたらす感動を味わう

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、新作ドラマが次々放映を延期する中、かつての人気作を特別編としてオンエアする動きが活発化。現在、TBSの日曜劇場枠では大泉洋が主演を務めたドラマ『ノーサイド・ゲーム』(2019年)が、未放送カットを織り込んだスペシャルバージョンとして放映されている。そしてドラマのリバイバルに伴い、米津玄師が担当した主題歌「馬と鹿」にも再び注目が集まっている。本作はドラマのために米津が書き下ろした楽曲で、昨年9月のリリース時には、レコチョクランキングで3カ月連続1位に輝いた大ヒット曲。現在までにCDと配信の合算は150万セールス(CD50万枚、ダウンロード100万枚)を超え、つい先ごろYouTubeでのMVの再生回数が1億回を突破したことでも話題となった。

米津玄師 MV「馬と鹿」Uma to Shika

 『ノーサイド・ゲーム』は池井戸潤の同名小説の実写化で、大手自動車メーカーに勤務する主人公・君嶋隼人(大泉洋)が低迷中のラグビーチーム「アストロズ」のゼネラルマネージャーを任されることになる人間ドラマ。自身のプライドをかけ、なんとか再起を目指そうとする君嶋と、会社のお荷物と揶揄されていた選手たちが次第に心を通わせ、共に奮闘する姿を描く物語だ。主演の大泉洋をはじめとした松たか子、上川隆也ら実力派俳優に加え、ラグビー元日本代表選手らも出演。『ラグビーワールドカップ2019日本大会』の盛り上がりにも大きく貢献することとなった。

米津玄師『馬と鹿』

 当然、主題歌「馬と鹿」も各所でパワープレイされ、ドラマの視聴者のみならず多くの人の心をつかむことに。たとえば、ラグビーW杯日本代表で活躍した福岡堅樹選手は、Twitterで“落ち込んだ時に元気の出る歌”として同曲を挙げ、「SCO(筆者注:スコットランド)戦の後に流れてたのを今でも鮮明に覚えています!」とコメントするとともにアカペラで歌う動画も投稿。当該試合は、日本代表がワールドカップ史上初のベスト8入りを決めた歴史的な1戦で、試合終了後、グラウンドに「馬と鹿」が響き渡り、観客は大合唱しながら選手たちの奮闘を称えた感動的なシーンでとして記憶されている。

 また、主演の大泉洋も米津との対談で「疲れ切ってるときでもこの曲を流すと、車窓から見える全てがドラマチックに見えてくるんだよね」と楽曲の持つ力に触れ、役に入り込む上でのトリガーになっているとも語っている。ドラマ終了後もラグビー関連のニュースに使用されるなど、もはやアンセムと言ってもいいほどの浸透ぶりだ。

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