欅坂46、土田晃之&ハライチ澤部佑との関係性は? それぞれの役回りの違い表れた『欅って、書けない?』MCに注目

番組を盛り上げることに徹するハライチ澤部

 対して、もう一人のMCであるハライチ澤部は、なにかにつけてメンバー側から「かわいい〜」と声が上がるなど、常に身体を張って積極的にいじられ役に徹する姿が印象深い。今回の放送の企画の発端となる“澤部賞”も基本的には彼のキャラクターがなければ成立しないものであり、時にはメンバーからもいじられることで番組を盛り上げている。

 そしてメンバーだけでなく土田のボケにもツッコミをしたり、メンバーの発言を素早く拾い上げたりなど、現代的な瞬発力がある。土田と比べれば芸歴が浅いのにも関わらず、早くから注目を浴びていたハライチは、二十歳前後の彼女たちにとっても“テレビでいつも見ている”馴染み深い存在なのだろう。親しみやすく、話し掛ける(いじる)こともしやすいはずだ。

 ゲストに来た若手(土田と世代の異なる)芸人とのハブ役になることも多く、欅坂46と土田の世代間ギャップを埋める役割としても重要な存在。そういう意味では、欅坂46にとっては“父親”というよりは“話の合う兄”という表現がしっくりくる。比較的近い感覚で接することができる相手といったところか。

 しかしそんな彼にも、ステージに立つ彼女たちへのリスペクトがあるのが興味深い。2016年の初ワンマンライブ後の感想では「(ライブを)見た後に会うと緊張しちゃうんだよなあ……」と吐露していたり、2017年の夏のツアーを見たときにも「圧倒されるくらいスタジオと雰囲気が違って、見終えた後の楽屋裏挨拶では緊張しちゃって」(クイック・ジャパン135号より)というように、ライブでの彼女たちからは番組収録とは違う存在感を感じているようだ。

 一番近くで見守るファンのような存在でありながら、芸能界の大先輩でもある土田。そしてステージに立つ彼女たちには緊張しつつも、時にはいじられ役にもなれる親しみやすさを持った澤部。コンビ特有のお決まりの流れや息の合った掛け合いは生まれにくいものの、その分2人の役回りの違いや、メンバーに対する関係性の違いなどが色濃く表れていて面白い。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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