日向坂46、『DASADA』は“19人”で臨んだ珠玉の青春ドラマに 小坂菜緒、渡邉美穂、佐々木久美らの活躍を振り返る

 また佐田の親友である立花ゆりこ(佐々木久美)、畑屋菜々緒(富田鈴花)もいい味を出していた。立花は常に佐田を優しく見守り、畑屋は時に毒を吐きながらなんだかんだ親友の頑張る姿に刺激を受け、少し距離を取っていた『DASADA』にも最後はヘア担当として参加した。そんな富田はHuluオリジナルコンテンツ『DASADA 〜もうひとつの教室〜』の中で「監督から(役柄は)とことん性格悪く」と求められたことを明かしている。そういった細かい役柄においての所作も、本作の魅力の底上げに繋がっているのだろう。そして青春ドラマには欠かす事のできない仲間思いの熱いキャラクター・小笠原真琴を演じた齊藤京子の姿もドラマに確かな彩りを加えていた。第4話で小笠原が放った「最後まで全力でやり切る! 後で後悔したくないから」というセリフは、常に全力でおひさまを幸せをすべく活動する日向坂46の姿と重なる。暑苦しく一生懸命な姿が周囲からダサい存在だと思われているが、周りの目は気にせず自分を持ち続ける小笠原という役は、“天然”とも“天才肌”とも言える齊藤にピッタリだったのではないだろうか。

 他にも日向坂46のメンバーが総出で『DASADA』の世界観を作り上げた。2月12日、日向坂46を卒業することを発表した井口眞緒もグラビアアイドル・岡田とろろ役として出演している。残念ながら昨年6月より体調不良のため活動を休止していた、濱岸ひよりの姿はなかったが、ドラマの主題歌「青春の馬」のMVでは小坂と可憐なダンスシーンを繰り広げている。そういう意味では日向坂46の“19人”で臨んだ珠玉の青春ドラマだったと言えそうだ。

■中山洋平
1983年生まれ。フリーランスの編集・ライター。ボウリング、洋服、ギター、サウナ好き。Twitter

関連記事