FANTASTICS、「FANTASTIC 9」MVから伝わるグループの軌跡 中尾翔太とファンへの思いが詰まった楽曲に

8人が手紙を書く姿、壮大なスケール感……MVのみどころ

FANTASTICS from EXILE TRIBE / FANTASTIC 9 (Music Video)

 ボーカルを務めるのは、子犬のようなベビーフェイスが人気で少年っぽさを残したピュアな歌声が魅力の中島颯太(EXPG大阪出身)と、歌/ダンス未経験にも関わらずメンバー入りを果たした、肉体派シンデレラボーイの八木勇征。八木の歌声はパワフルさもありつつ、甘くソフトタッチな表現が印象的だ。八木曰く、「FANTASTIC 9」は、ボーカルの地力が出せている曲だといい(参照)、音数の少ないバラードだからこそ、2人の歌声が映える曲に仕上がっている。

 さらに、ラストサビではパフォーマー(世界、佐藤大樹、澤本夏輝、瀬口黎弥、堀夏喜、木村慧人)も一緒になって大合唱しており、初の海外ロケを行ったというMVでも、鮮やかな青空のもと、ボーカル2人をパフォーマーが囲む形で手を振るようなダンスを披露している。振付には、ライブでは観客も一緒に手を振ってほしいという想いが込められているそうで、ボーカルも、ミドルバラードでありながらグルーヴ感が出るような歌い方を試行錯誤したという。

 また、8人が“手紙”を書いて空に飛ばすドラマティックなストーリーや、海外ロケならではのスケール感、思い思いの表情で手紙に想いをしたためる姿も、このMVの見どころ。FANTASTICSといえば、5月に橋本環奈とのW主演映画『小説の神様 君としか描けない物語』の公開が控えている佐藤大樹を筆頭に、グループとしても、2019年に行った初の単独全国ツアー『FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE』で演劇とライブを融合させたサウンドドラマに初挑戦するなど、演技面でも飛躍が期待されている。そんな彼らの進化の過程が、このMVには収められている。

 振り返ってみると、FANTASTICSにとって2019年は、吸収し続けた1年だったと言えるだろう。デビュー当時は、スタイリッシュかつキレのあるパフォーマンス、EXILE TRIBEの中でズバ抜けた爽やかさを持ったグループという印象が強かったが、デビュー1年目にしてさまざまな楽曲や演出に挑戦した今、彼らの可能性は計り知れない。3月28日からは、2度目の単独ツアー『FANTASTICS LIVE TOUR 2020“FNT”』がスタート。4月1日には、5thシングル『Hey,darlin’』のリリースも決定している。ツアーを完走する頃、9人はどんな進化を遂げているのだろうか。未来に想いを馳せながら、彼らが輝く一瞬一瞬を胸の奥のカメラに収めていきたい。

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38

関連記事