THE TRASHが理解できない者はパンクスではない 1stアルバムから滲み出るバンドの本質

THE TRASH『THE TRASH』

 THE TRASHほどのライブバンドは今まで観たことが無い。彼らはこれまで作品を出してこなかったものの、ライブで曲を覚えていくことが魅力のひとつでもあった。そんな彼らが1stアルバム『THE TRASH』を2月12日に発売する。アルバムの帯に書かれたthe原爆オナニーズ・TAYLOWさんの言葉にもあるように、本作が発売されることで「THE TRASHがいつでも聴ける」という、ハードコア人生を生きる上での最高の幸せを手に入れることができるのだ。

 THE TRASHの長いバンド遍歴では数々のメンバーチェンジがあったが、現在のメンバーはオリジナルメンバーであるHIROSHI(Ba)とマーチン(Vo)に、元THE CLAYのKAZUSHI TIGER(Gt)、元SPERMAのマーボー(Gt)、元NICKEY & THE WARRIORSのKAZUO(Dr)で固定されている。この最強の布陣で繰り出されるサウンドはゴキゲンなロックンロールを基本としながらも、ハードロックの要素も取り入れられており、ツインギターのアンサンブルに痺れてしまう。

THE TRASH 1st ALBUM「THE TRASH」トレーラー"天下泰平"

 生き様から放たれるサウンドの要所要所に、ライブバンドの本質が滲み出ており、ベースのうねりとコンパクトながら力強いビートのドラム、THE TRASHのライブや人間性を知っているほど心に深く沁み渡る歌詞など、ヘビーローテーション必至である至極の全10曲のアルバムだ。

 結成から40年近く経ち、遂に発売された本作だが、誰よりも一番喜んでいるのは、日本のハードコアの魂をTHE TRASHのメンバーと共に築き上げ、1992年に他界してしまったMASAMIさんではないだろうか。

 数々の修羅場をくぐり抜け、現在でもシーンの第一線で活躍するTHE TRASH。この人たちに「お前の骨は拾ってやるぜ」と言われることで、どれだけの人間が安心してパンクスとして生きていけるかわかるだろうか?

 筆者が責任を持って断言しよう。THE TRASHが理解できない人間はパンクスではない。

 ライブハウスに足を運びTHE TRASHの圧巻のライブを体験することは、パンクスがパンクスであるための必須事項である。

■ISHIYA
アンダーグラウンドシーンやカウンターカルチャーに精通し、バンド活動歴30年の経験を活かした執筆を寄稿。1987年よりBANDのツアーで日本国内を廻り続け、2004年以降はツアーの拠点を海外に移行し、アメリカ、オーストラリアツアーを行っている。今後は東南アジア、ヨーロッパでもツアー予定。音楽の他に映画、不動産も手がけるフリーライター。FORWARD VOCALIST ex.DEATH SIDE VOCALIST

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