欅坂46 鈴本美愉が卒業まで貫いたプロフェッショナルな姿 ダンスメンバーとしての活躍を振り返る

 欅坂46から鈴本美愉が1月23日にグループを卒業した。鈴本とともに発表された織田奈那の卒業、平手友梨奈の脱退、佐藤詩織の活動休止は、アナウンスから数日経った現在も衝撃と波紋を呼んでいる。鈴本は卒業理由について、「心と身体がだんだん追いつかなくなり、パフォーマンスに熱が入りきらず、その気持ちを無視する事が出来ませんでした」「自分が曲を伝える立場にいるのはもう違う。と思い」と自身のブログにて妥協できなかった思いを綴っている(参考:鈴本 美愉 公式ブログ)。

『黒い羊』(通常盤)

 2016年1月、欅坂46結成記念インタビューの頃から鈴本は、「欅坂46にしかないものを作りたい」「私自身が人と同じことをするのが嫌いなので、他のグループにはないところをこれから見つけていきたい」とブレないプロ意識を滲ませており、中途半端な気持ちで活動を続けるのであれば卒業という道を選ぶ、鈴本の考えも理解できなくもない(参考:欅坂46、初のメンバーインタビュー 上村莉菜・鈴本美愉・平手友梨奈が語る“これまでとこれから”)。

 ブログにも表れている通りに、鈴本は欅坂46を牽引するダンスメンバーだった。AKB48を見てダンスを習い始めたという鈴本は、デビューシングル「サイレントマジョリティー」からフロントメンバーとして平手の左隣を担い、3rdシングル「二人セゾン」、5thシングル「風に吹かれても」、6thシングル「ガラスを割れ!」、7thシングル「アンビバレント」とシングル5作においてフロントメンバーを務めた。欅坂46のダンスツートップである齋藤冬優花とともにグループのパフォーマンス力を築き上げていったのは、紛れもなく鈴本の存在あってのものだ。

 その確固たるイメージを印象付けたのは、『MUSIC STATION SUPERLIVE 2018』(テレビ朝日)で、平手の代わりにセンターを務めた「アンビバレント」。垂れ下がった髪をかき上げる鈴本の表情、しなやかで力強いダンス。欅坂46 1st写真集『21人の未完成』において鈴本には「孤高」というタイトルが付けられている。その鋭い眼差しは、〈孤独なまま生きて行きたい〉〈だけど1人じゃ生きられない〉の歌詞を体現しているかのようだ。

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