ソニーオーディション『ONE in a Billion』合宿審査の結果は? 様々なドラマを生んだ熱戦&感動の一部始終をレポート

『ワンビリ』波乱の合宿審査レポート

 通過発表からデュオのコンビ決め、レッスン、深夜までの自主練と、怒涛の合宿初日が明けて2日目へ突入。この日も午前から本間律子氏によるライブステージングディレクションがはじまり、そのまま夕方には審査が控えるハードスケジュールが控えていた。

 お昼頃に合宿所を訪れると、歌を口ずさみながらキッチンでお昼ご飯を用意していたのは、やはりきゃないだった。リビングに野嵜とレッスン終わりの木下&三浦ペアが合流。三浦と木下がきゃないを「シェフ」と呼んでからかったり、きゃないが歌ったことをきっかけに自然と4人で課題曲をユニゾンするなど、和気藹々とした時間が流れる。

 音楽好きの同世代同士、仲良くならないわけがないのだ。屈託なく等身大のトークを展開する様子はライバルというよりも、友人関係に近いと言えるだろう。その反面、その中の一人を切り捨てる、オーディションという仕組みの残酷さも感じるワンシーンだった。

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 レッスン後に本間氏に参加者の話を聞くと「みんなボーカルとしてのスキルは申し分ない。歌の技量や表現力は異なるが、完成度の高い6人で私も驚きました」と賞賛する。「例えば、きゃない君、木下君、三浦君は自分の得意技や魅力をよく知っている子達で。野嵜君、成山君、荒木君は他の3人以上に悩んでいると思います。ただ、そうやって悩みに悩み抜いて、最後に出した一滴は尊いし、人の心を打つんです。その良さをどう引き出してあげるべきかと、こちらの身が引き締まる思いでした」と答えてくれた。まわりにいたスタッフも「あきらかにオーディション当初と現在では別人のように成長している」と感慨深く教えてくれた。

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 レッスンが終了し、スタッフから集合がかかる。ここで発表されたのは、体調不良で欠席していたMASAZAYNの合流と、無情にも仮通過だった荒木への落選宣告だった。先ほどとは打って変わり、動揺を隠しきれない参加者たち。荒木とペアだった成山は「本当に複雑ですね。残念と楽しいの気持ちがごちゃごちゃになっています」と心境を吐露。木下も「ライバルだけど、本当に審査以外では友達なんで、改めてこのオーディションに気持ちを入れてやっていかなあかんなって思いました」と話してくれた。

 そして当のMASAZAYNも体調はまだ万全ではない様子でみんなの前へとやってくる。「まだ全然元気じゃないんです。思っている以上に声がコントロールできなくて……でも、やるだけのことはやってみます」と意欲を見せる。成山と共にスタジオブースへと向かい、本番ギリギリまで細かく歌い方やアレンジについて話し合う。本番まで約3時間、残された時間はもうわずかだった。

落選した荒木を見送る参加者たち

 本番前、リビングで声をあわせる三浦と木下、それに耳を傾けるきゃない。三浦が「うん、大丈夫だと思います」、木下も「いけると思う」と自信を見せると、きゃないは「いいね~この二人は。早く倒したい!」と火花を散らす。そして本番直前、もうひとつのサプライズがスタッフから告げられ、特別審査員としてシンガーソングライターの清水翔太が参加することに。再び動揺する参加者たちは、清水翔太と初対面し、緊張と興奮がMAXへ到達したことだろう。

【驚きはない】清水翔太登場!衝撃のコメントに審査会に風雲急!?【のに驚いた】合宿審査⑤

 そのまま本番審査が始まり、先陣を切ったのは三浦&木下ペア。このペアは一言で言えば、ザ・王道。昨夜は午前2時まですり合わせたという正統派なアレンジで綺麗なハーモニーを響かせる。二人の歌を聞いた清水翔太は「上手だし素敵な歌声だとは思うが、厳しいことを言うと驚きはない。もうあと一歩の驚きがプロとアマの違いだと思うから、そこは今後の成長に期待できるのでは」とコメントする。

声を丁寧に合わせる三浦&木下ペア

 続いて登場したのは、きゃない&野嵜ペア。きゃないはギターボーカル、野嵜はダンス&ボーカルで分担し、楽曲もアップテンポなものにガラリとアレンジを変えて歌唱した。しかし、清水は「ひとつのお皿にいろんな料理を乗せて出された感じがした」と指摘。ダンスやアレンジの必然性よりも彼ら二人自身の意思が先行しているため、そこの順番が逆ではないかと辛口の感想を述べた。

ギター&ボーカルとダンス&ボーカルで意表をつく野嵜&きゃないペア

 そして、最後は時間ギリギリまで練習を重ねたMASAZAYN&成山ペア。シンプルなギター弾き語りで、お互いが持つ個性的な声質を軸にしたパフォーマンスを披露。清水は「おそらく前の2組よりも、自分たちで作る音楽が評価される人達なのかもしれない。だから誰かのカバーを歌っても意味がないというか、特にここで言うことは何もないかな」とコメントした。

スモーキーな歌声とシンプルなアレンジを見せたMASAZAYN&成山

 最後に清水翔太は「今この瞬間だけに限っては本当にすごいと思える人はいなかった。ただ、それはあくまでこの条件だからであって、みんなプロとして十分にやっていける素質はあると思う。もっといろんな彼らの姿をみることで評価は変わる」と語り、「僕が見てきたプロとアマの明確な違いは、客観的に自分を見れているかどうか。プロは少ない時間の中で良い曲と思ってもらえることが重要で、歌に込めた思いみたいな部分を知ってもらう機会は少ない。個人としては不器用な方がアーティストとしては良いとも思う反面、そういうプロ的な考えとさじ加減を身につけることで、何も知らない人にもすっと伝わるような曲が作れるようになれるのでは」とアドバイスを送った。

 清水翔太の厳しい意見を受け、それぞれのリアクションは違っていたが、だいたいは打ちのめされたようだった。ただ、全員から伝わってくるのは、すべてを出し切ったという清々しさと今後も音楽は続けていこうという実直な志し。発表前の緊張感から解放された参加者は、最終日の結果発表までの間に一時の安息の時間を仲間と共に過ごす。サプライズだらけの2日目は幕を閉じた。

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