湯川れい子&矢口清治が語る、映画『ロケットマン』や実体験から見えるエルトン・ジョンの素顔

湯川れい子&矢口清治が語るエルトン・ジョン

 2019年12月28日、タワーレコード主催の『タワーアカデミー』音楽・映画連動講座がBillboard cafe & dining(東京 日比谷)にて行なわれた。今回の題材は、エルトン・ジョンの半生を描いた伝記/ミュージカル映画『ロケットマン』。1st sessionでは講師として、作詞家や評論家として幅広く音楽に携わる湯川れい子、MCはラジオDJや音楽ライターとして活躍する矢口清治が登壇した。『ロケットマン』への感想や意見から、エルトンと二人の仰天エピソード、歌詞の考察など、2時間にわたり様々な濃密なトークを展開。実体験に基づいた説得力抜群の湯川れい子のトークには、会場に駆け付けたコアなエルトンファンたちも大いに満足した様子だった。

「ロケットマン」は事実と異なる“ファンタジー”が混ざっている

湯川れい子、矢口清治

 まず『ロケットマン』を観た湯川は、事実に反して描かれていたエピソードがあったことに驚いたという。具体的には、1970年にアメリカ上陸を果たしたエルトンが、トルバドールのステージに立ち、「Crocodile Rock」を披露した場面だ。まず事実として「Crocodile Rock」がリリースされたのは2年後の1972年。そもそも当時のエルトンはとにかく暗く重い哲学青年のような印象で、このような明るい楽曲を生み出す段階ではなかったと指摘。とはいえ、『ロケットマン』の制作にはエルトンが携わっていることから、映画として面白くするための成り行きだったのだろうと理解を示した。矢口は、実際は演奏していなかった「Crocodile Rock」を入れたことについて「アメリカで成功することのメタファーだったのでは」と考察した。

 エルトンの母親やマネージャー兼恋人だったジョン・リードについては、「あんなに嫌な奴だったと思わなかった!」とストレートな感想を述べ、会場を笑わせる湯川。湯川が実際にジョン・リードに会った際は「ハンサムで人当たりの柔らかい人」という印象だったという。同時期にマネージャーを務めていた世界的ロックバンド、クイーンからも「決して嫌な奴ではなかった」と言われていることから、ビジネスマンとしてはやり手だったのだろうと推測した。ここで、フレディ・マーキュリーとジョン・リードが寄り添っている極秘写真をお披露目。湯川が持参したお宝写真に、多くの観客たちがカメラを向けた。エルトンの相方であるバーニー・トーピンの印象は、目が綺麗で小柄、エルトンに対しても常に一歩退いているといった印象で、映画のイメージ通りの控えめな人物だったと語った。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる