香取慎吾『20200101』インタビュー(後編)

香取慎吾が明かす、『20200101』の歌詞に込めた“10%の本音”「僕の言葉なんだけど、僕だけの言葉じゃない」

不特定多数の“その人”を「えっ!」って言わせたい

ーーいわゆる“私小説”的な歌詞ではないと。そう、今、絵の話が出てきましたが、香取さんは、歌はもちろん、お芝居や絵など、さまざまな表現活動をされていますよね。それらの中に、何か共通するものって、あったりするのですか?

香取:共通するもの……うーん、やっぱり、応援してくれる人がいることですね。ファンの方々というよりは、“その人”というイメージがぴったりくるイメージなんですけど。こないだ“その人”には、僕の絵を見てもらったけど、その次は急に歌です、今度はアルバムですって言ったら、“その人”はきっと「えっ!」ってビックリしてくれるだろうなとか。そういう不特定多数の“その人”が必ずいてくれるからこそ、“その人”たちを、より「えっ!」って言わせたいみたいな。全部、そういう感じなんです。

ーーその“思い”が、ここ数年で、強まってきていたりするのでは?

香取:いや、それはずーっと変わらず、僕の中にあるものなので。そう、絵を描くことも含めて、全部エンターテインメントだと思っているんです。だから、お芝居も歌も、ステージで踊ることも、バラエティ番組に出ることも、僕にとっては何も変わらないというか。僕みたいな職業というのは、それを受け止めてくれて、笑ってくれる人がいないと、まったく無意味な職業じゃないですか。なので、そういう人がいてくれているっていう安心感はすごくあるし、基本的には全部、その人たちに向けてやっていることなんですよね。

ーーただ、SNSの時代になって、そういうファンの存在を、さらに実感したところもあるんじゃないですか?

香取:ああ、そうですね。そこは大きいかもしれないです。「あ、みんな、こんなふうに思っているんだ」とか、そういうことが、今はすぐにわかりますから。でも、こうして改めて、今まで自分がやってきたことを振り返ってみると、ちょっと面白いですよね……。

ーーん? それはどういう意味で?

香取:いや、これまではずっと、自分たちで楽曲を作っていなかったというか、曲を提供してもらって、それを歌っていたわけじゃないですか。それと、実際に自分が音楽を作る中に入っていくというのは、まったく違うことなんだなって、今回改めて思ったんです。今回一緒にやらせてもらったみなさんって、ほとんどの人が自分たちで曲も歌詞も作っているわけじゃないですか。で、それはもちろん、作業的にすごく楽しいことなんだけど、やっぱり苦悩の部分もあるし、「果たして、これが正解なんだろうか?」って、延々考え続けたりするわけですよね。

ーーそうですね。

香取:そこまでは考えてなかったというか、楽曲を提供してもらって、メンバー全員の好みが完全に一致した形で歌うなんて、なかなかないじゃないですか。もちろん、そこからどんどん、好きな曲になっていくことはありましたけど。でも、こうやって自分で作る人たちは、最初から120点、200点満点の気持ちで完成させていかないと、それが全部自分に返ってくるものだったりもするわけで。だから、楽曲提供だけでやってきた自分たちと、こうやって自分で楽曲を作るアーティストの方たちは、全然違うものなんだなっていう。だからこそ今回、こうしてフィーチャリングという形で、みなさんの才能の上に乗っかることができて、ホントに良かったです(笑)。

ーー(笑)。今回のアルバム制作を通じて、香取さん自身の中で、音楽を作ることに対するモチベーションが上がったりもしたんじゃないですか?

香取:そうですね。一緒にやってみたい人は、まだまだいっぱいいるし、やっぱりやりたいことのひとつではありますよね。だけど、自分の中では、“満を持して”みたいな感じは、あんまりないんです。確かに、初めてのソロアルバムではあるし、「この感じで、もう一枚ぐらい、アルバム作れたりするかな?」って思ったりもするんですけど、今すぐじゃなくていいかなっていうか。こうしていいものができたんだから、また機会があれば、やりたいなあぐらいの感じで。そう、今はこの音楽で、やっぱりライブをやってみたいですよね。

ーーなるほど。そのあたりの情報も追い追い発表されるようですが、改めて最後、ファンの方々に、今回のアルバムに寄せたメッセージを。

香取:今回のアルバムは、最初に言ったように、自分自身、「音楽って楽しいものなんだな」っていうのを、改めて感じながら作ったアルバムで。僕の「音楽、好きだな」っていう気持ちがいっぱい詰まっていると思うので、聴いてもらう人にも「音楽っていいなあ」って感じてもらえたら嬉しいです。あと、今回参加してくれているアーティストの中には、僕よりも若いアーティストの方がいたりするので、そういう才能溢れる若い人たちのことを、みなさんにも知ってもらいたいなっていう思いもあって。だからホント、このアルバムタイトルじゃなでいですけど、“ワイワイ”ですかね。かしこまったものとか、カッコつけようとかっていうことよりも、ホントみんなとワイワイ楽しくやれたので、それをみなさんにも感じてもらえたらいいなって思っています。

(取材・文=麦倉正樹)

■リリース情報
『20200101』
発売日:2020年1月1日(水)
<収録曲>
01.Prologue(feat.TeddyLoid&たなか)
02.Trap
03.Metropolis(feat.WONK)
04.welp(feat.須田景凪)
05.I'm so tired(feat.氣志團)
06.ビジネスはパーフェクト(feat.スチャダラパー)
07.Neo(feat.yahyel)
08.嫌気がさすほど愛してる(feat.KREVA)
09.OKAY(feat.SALU)
10.10%
11.Now & Forever(feat.SONPUB&向井太一)
12.FUTURE WORLD(feat.BiSH)
【初回限定・観るBANG! (CD+DVD)】
価格:4,040(+税)
(DVD)「Trap」Music Movie / 「FUTURE WORLD(feat.BiSH)」Music Movie
【初回限定・GOLD BANG!(CD)】
価格:4,040(+税)
(CD)初回限定・GOLD BANG!のみ13曲目に「10%(小西康陽remix)」収録
豪華56Pビジュアルブック 封入
【通常BANG! (CD)】
価格:3,030(+税)

・各チェーン店別アルバム購入特典:シリコンブレスレット
アルバム予約はこちら

「FUTURE WORLD (feat.BiSH)」
ダウンロード、視聴はこちら

「Prologue(feat.TeddyLoid&たなか)」
ダウンロード、視聴はこちら
「Trap」
ダウンロード、視聴はこちら
「10%」
ダウンロード、視聴はこちら

■ライブ情報
『NAKAMA to(と)MEETING_vol.2』
2020年
<千葉>幕張メッセ 幕張イベントホール
2月26日(水)12:00開場/13:00開演
2月26日(水)7:00開場/18:00開演

<福岡>マリンメッセ福岡
3月7日(土)12:00開場/13:00開演
3月7日(土)17:00開場/18:00開演
3月8日(日)12:00開場/13:00開演

<大阪>丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
3月12日(木)12:00開場/13:00開演
3月12日(木)17:00開場/18:00開演
3月13日(金)12:00開場/13:00開演
3月13日(金)17:00開場/18:00開演

<東京>国立代々木競技場第一体育館
3月21日(土)17:00開場/18:00開演
3月22日(日)12:00開場/13:00開演
3月22日(日)17:00開場/18:00開演

<静岡>静岡エコパアリーナ
3月28日(土)12:00開場/13:00開演
3月28日(土)17:00開場/18:00開演
3月29日(日)12:00開場/13:00開演

<北海道>
真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
4月11日(土)12:00開場/13:00開演
4月11日(土)17:00開場/18:00開演
※開場・開演時間は変更になる可能性あり。

■関連情報
新しい地図オフィシャルHP

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