宗像明将のチャート一刀両断!
三代目JSB、シングル25作連続ベスト10入り 『冬空 / White Wings』で体現されたグループの壮大なスケール
参考:2019年12月23日付週間シングルランキング(2019年12月9日~12月15日)
三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEは、2010年11月10日に『Best Friend's Girl』でデビューして以来、シングルが常にベスト10に入ってきました。2019年12月23日付の週間シングルランキングでも2位となり、25作連続のベスト10入りに。その25枚目のシングルが『冬空 / White Wings』です。
三代目 J SOUL BROTHERSのレコーディング音源の魅力とは、今市隆二と登坂広臣というふたりをボーカリストとして擁していることに尽きるでしょう。『冬空 / White Wings』では、収録されている2曲ともミディアムバラードだからこそ、そのことを痛感させられます。
今市と登坂のソロ作を聴けば明らかですが、R&Bを愛して歌いあげる今市と、ヒップホップからトレンドを吸収し続ける登坂という個性の違いがふたりにはあります。そうしたふたりがともに歌い、歌声がひとつに溶けあうことが三代目 J SOUL BROTHERSの楽曲の大きな魅力になっています。
たとえば「冬空」は、抑制されたボーカルで幕を開けますが、ふたりの歌声は徐々に熱を帯び、その絡みあいは終盤において強烈なカタルシスをもたらします。それは、メロディやサウンドの問題だけではなく、肉声の力によるものでもあります。歌詞の〈あなたが恋しい〉という一言を、ここまで艶やかに、そしてドラマティックに歌えるところにも彼らの強みがあると言えるでしょう。
一方で、「White Wings」のボーカルには冒頭から穏やかな高揚感があり、それが最後までキープされます。楽曲のなかで徐々に盛りあがっていくスタイルは「冬空」と同じですが、ボーカルの方向性はかなり異なるわけです。それは今市と登坂がボーカルによって楽曲の魅力を増幅させている結果でしょう。