BTS、PENTAGON、GOT7、ATEEZ、SEVENTEEN……K-POPはヨーロッパに根付くのか? 現地での様子から考察

K-POPはヨーロッパではニッチなジャンル

 では、K-POPがヨーロッパの国々でメジャーなジャンルなのか? というとそうではなく、知る人ぞ知るまだマイナーなジャンルだ。実際、ドイツに暮らす友人たちに話を聞くと、K-POPはよく知らないという答えが返ってきた。つまり、盛り上がっているのはごく一部なのだろう。前述したように、多くのヨーロッパのファンはK-POPのコンサートならグループに関係なく行く傾向がある。そうした一部の“K-POPオタク”がコンサートをいくつもはしごしているのだ。

 また、K-POPのファンにはアニメなども好きな人が多く、K-POPはヨーロッパにおけるオタクジャンルの一部になっている。以前、日本のヴィジュアル系がヨーロッパで人気が出た時も、ヴィジュアル系ファンとアニメファンが重なっていることも多かったが、そのファン層とよく似ている構図だ。ヴィジュアル系のブームと違うのは、K-POPは動画やSNSといった国境のないインターネットツールを巧みに使って世界中へファン層を広げていったというところだろう。

K-POPはヨーロッパに根付くのか?

 先日とある旅番組で、ポーランドの女子高生たちが路上でK-POPのダンスを踊っている場面が放送された。彼女たち曰く「K-POPファン」なのだという。以前からいわゆる“オタク層”を中心に少しずつ浸透してきたK-POPは、今や中高生などの若者にも支持を集めている。

 実際、あるヨーロッパの都市の街角でたまたま入ったタピオカミルクティーのお店ではK-POPが掛かり、高校生たちがその曲を当たり前のように口ずさんでいた。街中で韓国語で歌われるK-POPが流れているのにも驚いた。

 現在のヨーロッパのK-POPファンは中高生が中心だ。偏見も垣根もなくK-POPというジャンルを素直に受け入れてファンになっているのは、現在の日本での第3次ブームと少し似ている。ただ、前述したように、ヨーロッパにおいてはまだニッチなジャンルであることは変わりはなく、そのラインを越えて、音楽ジャンルとして定着できるのかが今後のキモになる。BTSが欧米諸国に対してK-POPの認知を大きく広げてくれたとはいえ、大衆も聞くようなジャンルになるにはまだ時間が必要そうだ。多くのグループたちが細かく来欧し、ツアーを行うことで広く知られるようになれば、少しずつ大衆に浸透していくかもしれない。

■西門香央里
東京在住のフォトライター。K-POP、韓国トレンド、旅行、グルメ、カルチャーなどを中心にWebメディアなどで活動中。年3~4回の渡韓でエネルギーを蓄えている。いつまでも年齢不詳でありたい通年おかっぱの人。座右の銘は「努力は裏切らない」。
寄稿媒体:いまトピ、エキサイト、TABIZINE、SHELBEE…等

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