乃木坂46、3・4期生が提示したグループの未来 先輩メンバー不在でのパフォーマンスを読み解く

 11月26、27日に東京・国立代々木競技場第一体育館で『乃木坂46 3・4期生ライブ』が開催された。同会場で行なわれる乃木坂46単独の公演としては、まだデビューから1年半ほどのキャリアだった『真夏の全国ツアー2013 FINAL!』以来となる。2013年の公演は当時の1期生およびグループに本格合流する前夜の2期生が担ったが、6年を経たのち、その1・2期生が築いた乃木坂46の礎を次の時代に継承する準備として再度、代々木の地が選ばれた。

 ライブはまず、6年前の代々木公演でもセットリスト序盤に披露されていた初期楽曲「おいでシャンプー」「ガールズルール」で幕を開ける。「裸足でSummer」を挟んだのち、このライブのコンセプトを告げるように3期生楽曲「トキトキメキメキ」、4期生楽曲「キスの手裏剣」が続く。そして以後は3期生のみ、4期生のみのパートが交互に展開され、4期が「4番目の光」、3期が「三番目の風」と各期を代表する楽曲でそれぞれのパートをスタートさせた。

 あらためて期別単位のライブパフォーマンスが行なわれることでまず際立つのは、3期生がすでにして身につけている、チームとしての力強さである。たとえば、今回フルサイズで披露された「三番目の風」は、かつては加入したばかりの3期生たちのフレッシュさを謳うアンセムとしてあった。しかし今年の『真夏の全国ツアー2019』での力強さを経て、このライブでは楽曲としての物語性を色濃く宿す作品にまで進化させている。

 これは3期メンバーがそれぞれに表現力を蓄えた、強い個の集合になっているゆえだ。今回の公演随一の迫力をみせた3期生パートの「日常」でセンターを務める久保史緒里や、ライブ全体を牽引した梅澤美波や山下美月をはじめとして、メンバー個々が乃木坂46という大きな看板全体を背負う顔としての準備を整えつつある。

 対して4期生のハイライトは、メンバーたちの歌声を引き立てるように今公演用のピアノアレンジが施された「羽根の記憶」だった。実働一年目の彼女たちのみによるパフォーマンスが披露されるにあたって、自らの可能性と未来とを綴るこの曲がシンプルなアレンジで歌われ4期パートのクライマックスに置かれたことで、ライブ全体のねらいもさらに際立つ。

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