新生渋谷PARCOで楽しめる音楽カルチャーは? CorneliusによるオリジナルBGMや「WAVE」復活も
2019年11月22日、渋谷PARCOが帰ってきたーー。2016年8月7日、建て替えのため惜しまれつつ一時休業に入っていた渋谷PARCO。1973年のオープン以来、「インキュベーション」「街づくり」「情報発信」に取り組み、渋谷カルチャー発展の一端を担ってきたランドマークの一つだ。1969年の池袋PARCO開業から50周年を迎える節目の年に大幅な進化を遂げ、新生渋谷PARCOとしてグランドオープンした。
本稿では、世界へ発信する唯一無二の“次世代型商業施設”として、デザイン・アート性・エンターテインメント性の高い専門店を軸に“編集”をし、独自性を高めたという渋谷PARCOで楽しめる音楽を中心とした店舗・カルチャースペースについて紹介したい。
まず、店頭のオリジナルBGMを監修したのはCornelius。“ビルに入って最初に出会う音楽を重要なファクター”として捉え、渋谷カルチャーの系譜を踏み、現在も世界的評価を受けるCorneliusに白羽の矢が立った。BGMは世界中の楽曲と、小山田圭吾が渋谷PARCOのために書き下ろしたオリジナル楽曲で構成。定刻を知らせるジングルもCorneliusによるものだという。流行の変化と四季に合わせた曲を11月から2カ月ごとに選曲、1年間で全6組のプレイリストを展開予定だ。
1Fには、80〜90年代を中心に「音と映像の新しい空間」としてカルチャーを発信したレコードショップ「WAVE」が新たなミュージックプロジェクトとして復活し、初店舗をオープン。取り扱いアイテムは「ウィメンズ/メンズ/服飾雑貨/音楽/コーヒー」でTシャツやアクセサリー、レアな中古レコードなどを販売。音楽ファンにはおなじみの「WAVE」のロゴがあしらわれた自動販売機やDJ機材などのパーツで埋め尽くされた内装が来店者を迎える。
ちなみに、「WAVE」店頭の上部、2F壁面設置のアートウィンドウには半年間限定で日本ポップアーティスト界の巨匠・田名網敬一によるスペシャルインスタレーションを展示中だ(田名網氏は現在、GENERATIONS from EXILE TRIBEの最新アルバム『SHONEN CHRONICLE』アートワークなどでコラボレーションを展開。参照:GENERATIONS×田名網敬一「少年クロニクルPOP-UP STORE」オープン 佐野玲於「僕はすごくパジャマが好き」)。
新生渋谷PARCOがターゲットとして掲げているのは、“ノンエイジ”、“ジェンダーレス”、“コスモポリタン”。特定の年齢層や性別にターゲットを絞るのではなく、感性で消費する「新しいこと、人と逢うこと、面白いこと、個性を追求する」都市生活者が世界中から訪れるビルを目指したという。その感覚を直に体験できるのが、建築家の藤本壮介が環境デザインを担当したB1F「CHAOS KITCHEN」だろう。「食・音楽・カルチャー」をコンセプトにした飲食店と物販店が混在した、まさにカオスなレストランフロアだ。
音楽にまつわる店舗は新品・中古オールジャンルのレコードを豊富に取り揃える「ユニオンレコード」(1967年に誕生した「ディスクユニオン」の前身店舗。2018年新宿に復活した「ユニオンレコード新宿」に続く2店舗目)、チケットやオリジナルグッズなどを展開、DJブースも併設したフジロック・オフィシャルショップ「GAN-BAN/岩盤」が出店。また、ライブハウス・CLUB QUATTROがプロデュースするミュージックカフェ&バー「QUATTRO LABO」は吉祥寺路面より移転オープン。「QUATTRO LABO」では、CLUB QUATTROやスペイン坂より移転したアートスペース・GALLARY X SHIBUYAと連動した企画も定期的に行われるという。